風をつかまえた少年のレビュー・感想・評価
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アフリカン ドリーム
ちょっと違うかもしれないけれど、厳しいアフリカの自然に知恵と工夫で立ち向かう、サクセスストーリー。
村や家族という小さな単位での話なので、スケール感は小さいが、その分身近に感じられた。
21世紀になっても干ばつや洪水に苦しめられている、アフリカのある農家。農家といっても、土地を人間が鍬で耕す原始的な農法だ。父親は、貧しいながらも息子を学校に行かせるが、天候のせいで収穫が減り、学費が払えなくなってしまう。実際にあった話とのことなので、こうした事実がつい20年前に存在していることを、改めて認識させられる。
映画ではそれほど悲惨なシーンは無いが、飢饉が起こり、餓死者が出てしまうほどの惨状は、酷い状態だったのだろうと想像できる。人心は荒み出し、一家も窮地に追い込まれる。
現在の状況は、改善されているでしょうか。少し気になりますね。
ご本人も来日されていたようですが…
ここまでの貧困生活の中で困難に立ち向かおうとする姿に驚き。なにより、普通に水が出て食べ物にもこまらず学校にも行けるこの生活がどんなに幸せな事かをただただ理解できる。人生無駄にしてはいけない、な、と。
学習礼賛 若さが世界を変える
異なる文化圏の話は、前半がついつい眠くなってしまう。しかし、風車を作る終盤は軽快で気持ちよかった。
自転車のダイナモ(発電機)ひとつで、ポンプ動かすことができるんだね〜。ダイナモなんて、文明に毎日浸っている我々にとっては、その中のたったひとつの小さなパーツに過ぎない物なのだが。
我々は、かえってひとつひとつのパーツの凄さというか、「力」を忘れてしまっていたり、過小評価していたりするのだろうなぁ。…なんと言っても、実話なので。
印象的だったのは、冒頭と最後に描かれる、この地方の葬式。森の精霊たちが、陽気に踊りながら、死者を迎えに来る姿は、なんだか正しいような気がする。
アニミズム(原始宗教)などと呼ばれるものだが、これが人間の本来の感覚なのではないか。自然とつかず離れずの関係。
一方で、自然の脅威を克服するための科学技術が、村に入ってくる瞬間。本作ではそれが、主人公によって、風力発電による「ポンプでの水の汲み上げ」が稼働する瞬間。
本作の主題は、若さと学びによって、「大人=従来の人たちが、一生懸命やっても克服できない飢饉という大問題」の解決を果たすという、学習礼賛。
その中での葬式の描写は、自然を克服することによって、一体化するよさから少しずつ離れていくことを暗に意識させる象徴だろうか。
理不尽な状況が長い
学校の図書室で一冊の本に出会った少年が、風力発電でポンプを動かし、井戸から水を汲み上げるシステムを作り、干ばつによる飢饉から村を救った2001年の実話を基にした、ベストセラーを映画化。
少年の活躍は最後の15分くらいで、それまでは延々と「いかにこの国は文明程度が低く、貧しいのか」と「この国の政府は堕落して国民を救わない」という描写が続く。
ストレスからの解放が、快感に繋がるとはいえ、約1時間半の理不尽な否定と状況がつらかったな。
しかしわずか18年前に、アフリカの最貧民国は、農業は天候頼みで祈りで雨乞いをするレベルだったのかと思うと、我々はいかに恵まれているかと実感させられる。
風車作りの男子の遊び心をくすぐるシーンが少なかったかなぁ… でも子...
風車作りの男子の遊び心をくすぐるシーンが少なかったかなぁ…
でも子供でありながら、村の事を何とかしたいって思う芯の強さは素晴らしい
この物語が2001年だという事実に驚いた。 むかしむかし、みたいな...
この物語が2001年だという事実に驚いた。
むかしむかし、みたいなお話だと思っていたが、ラジオから聞こえてくるニュースにあれっ!っと耳を疑う。
学費は疎か食べ物の心配、生まれた時から私には無縁な状況。こんなに差があるもんか!?世間知らずな単純な驚きだった。
こんな状況からの学びと発想と執念。
酷い状況のシーンは延々と終わりが見えないままに続く、少年の希望の芽を摘むように続くのが本当に辛かった。
上映館少なすぎ
本作。「感動した」とか「良かった」とかでは語れない作品。
でも自分的には観賞して正解だったと判断です。
2001年にアフリカであった実話だそう。つい最近の話だった事に驚き。
電気も無いし水は雨か井戸水のみ。
洪水と干ばつの負のスパイラルにより穀物が出来ず略奪や紛争が起こる村のストーリー。
2001年と言えば、米国の同時多発テロがあった年。ラジオから流れるニュースもこの村人たちは生きる為には関係ない話。
主役の14才ウィリアムが授業料も払えず退学。
落ち込むばかりのストーリーに多少のストレス発生。
ラストの10分で救われた印象でしたが、
この様な現実が今もどこかであると思うと自分が恵まれた環境に感謝しかありません。
上映館が少な目だけどもっと広まって欲しい作品。
本がどれだけ大事なのか。
本がどれだけ人を救うのか。
本は読まないとダメですよね( ´∀`)
父親を責めても良いのは母親だけ
2001年マラウイ共和国で廃材から風力発電機を作り水を汲み上げ、二期作を成功させて困窮する村を救った少年の話。
元々貧しい村を襲った洪水と旱魃で、食うにも困る村人達。
その中でも保守的で先見の明がない父親の下、学費が払えず早々に退学させられた少年が風力発電に目をつけ独学で学んで動いて行くストーリー。
どこまでが真実かは知らないけれど、無能で無策だったり他人の様な政府に役人だったり、結局は他力本願な村人達にだから貧しいんだろうなと思いつつも、それしか術を知らないんだろうなという同情も抱く。
中等学校の理科の教師がダイナモの構造を解らないとか驚かされるし、先進国なら小学生でも考えつく子がいても不思議じゃない様なことだけど、そうはいかない知識や学力の環境の中で実践した主人公が素晴らしかった。
素晴らしい
存在のない子供たち同様、こういう映画が沢山の人に届けばいいのにな、と思います。
恵まれた日本で暮らすわたしたちがこういう映画をきっかけに少しでも世界を知ることで、日常生活への意識がちょっとでも変われば…(食品ロスとか水の使い方とか)微力でも大切なことだと思います。
本当に観ている間はしんどいことばかりで(カンバ…涙)家で観てたら止めてしまうかもと思ってしまったりしますが(映画館に感謝)絶対に観るべき作品。
ゼインといいウィリアムといい、強いんですよね、本当に。
絶望的な状況でも何とかして生き抜こうとする精神力、生命力。
健気で優しくて逞しくて本当の意味で強い。
だから観てても暗い気持ちになるわけではなく、心の底から観て良かった!!と思えるんだなと。
最後に新たな小さな相棒がちょこんと側にいたのが、さりげなく凄く嬉しかった。
素晴らしい実話
マラウイの少年は素晴らしいです。
学費が払えなくて退学になったけど、図書館の先生の対応は感動しました。
独学とゴミ置き場から集めた材料と自転車で風車を作っちゃうなんてスゴい!
いい作品でした。
マラウイという国を初めて知りました。
ウィキペディアで調べたら、マラウイはアフリカ南東部の国で、旧宗主国はイギリス。1964年に独立してますが、イギリス連邦加盟国で公用語は英語。なるほど。
植民地というと搾取や隷属といったネガティブなイメージが先行してしまうのですが、言語の普及という面では利点がありますね。インフラ整備のためにはその担い手となる人材の育成が必要で、教育はもちろん、自力で図書室の本を読み解くにも共通言語は必要です。アフリカの部族語では風力発電に限らず、理系文系問わず、翻訳されているものは少ないと思われます。
野田市の児童虐待、クローズアップ現代で取り上げられるような貧困を背景とした諸問題、逆恨みの放火で何十人もの命が奪われる。
最近は、現実の方が映画や小説で描かれるよりも遥かに悲惨なことが多いせいか、このような映画を観た時も、少年の成長と少年が獲得した様々な果実に感動する前に、どのような背景からこの物語が生まれたのだろう、という想像が先行してしまいます。情緒面で受け取る感動より先に、環境や偶然や人間を動かす動機やパッションはなんだったのか。そんなことを考える癖がついてしまったようです。
貧困からの脱出のキーは教育
天候不順、飢饉、貧困、政情不安定、教育システム不全・・・本作は20年近い過去の出来事をベースにしていると思われるが、たった今もまだ起きているのではないか。セミドキュメンタリーとして鑑賞すると胸に迫るものがある。
日本の貧困、格差問題の解決もやはり子供たちへの教育機会の確保かなぁ。
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