風をつかまえた少年のレビュー・感想・評価
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父親を責めても良いのは母親だけ
2001年マラウイ共和国で廃材から風力発電機を作り水を汲み上げ、二期作を成功させて困窮する村を救った少年の話。
元々貧しい村を襲った洪水と旱魃で、食うにも困る村人達。
その中でも保守的で先見の明がない父親の下、学費が払えず早々に退学させられた少年が風力発電に目をつけ独学で学んで動いて行くストーリー。
どこまでが真実かは知らないけれど、無能で無策だったり他人の様な政府に役人だったり、結局は他力本願な村人達にだから貧しいんだろうなと思いつつも、それしか術を知らないんだろうなという同情も抱く。
中等学校の理科の教師がダイナモの構造を解らないとか驚かされるし、先進国なら小学生でも考えつく子がいても不思議じゃない様なことだけど、そうはいかない知識や学力の環境の中で実践した主人公が素晴らしかった。
素晴らしい
存在のない子供たち同様、こういう映画が沢山の人に届けばいいのにな、と思います。
恵まれた日本で暮らすわたしたちがこういう映画をきっかけに少しでも世界を知ることで、日常生活への意識がちょっとでも変われば…(食品ロスとか水の使い方とか)微力でも大切なことだと思います。
本当に観ている間はしんどいことばかりで(カンバ…涙)家で観てたら止めてしまうかもと思ってしまったりしますが(映画館に感謝)絶対に観るべき作品。
ゼインといいウィリアムといい、強いんですよね、本当に。
絶望的な状況でも何とかして生き抜こうとする精神力、生命力。
健気で優しくて逞しくて本当の意味で強い。
だから観てても暗い気持ちになるわけではなく、心の底から観て良かった!!と思えるんだなと。
最後に新たな小さな相棒がちょこんと側にいたのが、さりげなく凄く嬉しかった。
マラウイという国を初めて知りました。
ウィキペディアで調べたら、マラウイはアフリカ南東部の国で、旧宗主国はイギリス。1964年に独立してますが、イギリス連邦加盟国で公用語は英語。なるほど。
植民地というと搾取や隷属といったネガティブなイメージが先行してしまうのですが、言語の普及という面では利点がありますね。インフラ整備のためにはその担い手となる人材の育成が必要で、教育はもちろん、自力で図書室の本を読み解くにも共通言語は必要です。アフリカの部族語では風力発電に限らず、理系文系問わず、翻訳されているものは少ないと思われます。
野田市の児童虐待、クローズアップ現代で取り上げられるような貧困を背景とした諸問題、逆恨みの放火で何十人もの命が奪われる。
最近は、現実の方が映画や小説で描かれるよりも遥かに悲惨なことが多いせいか、このような映画を観た時も、少年の成長と少年が獲得した様々な果実に感動する前に、どのような背景からこの物語が生まれたのだろう、という想像が先行してしまいます。情緒面で受け取る感動より先に、環境や偶然や人間を動かす動機やパッションはなんだったのか。そんなことを考える癖がついてしまったようです。
貧困からの脱出のキーは教育
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