「傑作になれたかも。」バイス 瀬戸口仁さんの映画レビュー(感想・評価)
傑作になれたかも。
ジョージ・W・ブッシュ大統領の下で副大統領を務めた、ディック・チェイニーを描くドラマ。主人公が大学中退後、ニクソン政権下でインターンとして働き、ブッシュ政権下で実権を握るまでを描く。
チェイニーの伝記映画であり、米国の政治ドラマであり、長女は父親と同じ保守系の政治家となり、次女はレズビアンを告白する家族のドラマでもある。様々な出来事が描かれ、飽きることは無いが、焦点が定まっていないともいえる。
チェイニーになりきったクリスチャン・ベールの変身ぶりがすごい。物語自体は興味深いエピソードが多く、最後まで見ることができる。
表面的で軽過ぎると言えなくもないし、深い独自の洞察や、政治的・社会的なメッセージを求める人には、不満が残るかも。題材自体は非常に興味深く、面白い話ではあるので、作り手がもっと研究していれば、傑作になれたかも。
コメントする