「悪い奴ほどなんとやらというが」バイス 未佐緒00さんの映画レビュー(感想・評価)
悪い奴ほどなんとやらというが
副大統領というと陰から支えるという立ち位置なんだと思っていたけど、この映画を観たら認識が変わってしまうというか、大間違いだった。
映画を観る前から悪い人間という先入観があったけど、妻、子供をとても愛している、いいお父さんです。
妻の母が亡くなった時、妻と娘、家族には金輪際、近づくなと脅しみたいに酔っ払いの義父に宣言します。
警察も詳しく調べていないという感じで終わっているし、日宇言う野ってもし彼が政治家の道を真っ直ぐに歩いていたらスキャンダルになるんじゃないと思ったのですが。
娘が同性愛者というのもびっくり。
一度は政治家の道を退いて普通の民間、犬のブリーダー、普通ならアメリカンドリーム、心臓の病気もあるんだから、個々で湯余生を過ごせばいいんじゃないと思ったけど。
こういうのは悪運強いというか、神の気まぐれで何らかの才能を開花させていくんじゃないかと思わせてくれます。
奥さんを演じる、エイミー・アダムスの演技がしたたかで目を奪われました。
駄目な男に何故、そこまで尽くすのかと不思議に思ったのですが。
やはり男尊女卑、女であるが故にどんなに頑張っても上にはいけないという現実の厳しさ。
両親の不仲な生活を観ていたら少しでもいい生活がしたいと思っても不思議はないと思ってしまいました。
そして死にかけたけど、復活って、ええっ、そうなの、この部分も実話なのとびっくりです。
映画が終わった後、初老の女性に難しかったと聞かれて。
「悪い男という者は、なかなか死にません」
と思わず本音を漏らしてしまいました。