「静かに静かに迸る怒り」ビール・ストリートの恋人たち しげぴいさんの映画レビュー(感想・評価)
静かに静かに迸る怒り
愛する者を救済するために
奔走する家族の姿に心がひりつく。
「俺をかばうな」と言って
白人警官に目をつけられたファニーを
牢から出そうと活躍する女性たち。
愛を力とする逞しさを
感じずにはいられない。
……………………………………………………………………………
2019.3.1 TOHOシネマズシャンテにて1回目
愛や家庭すら
人並みに営むことができない
そんな状況に置かれても
折れることなく育まれていく絆
白人の有色人種に対する
理由なき悪意の底知れぬ恐怖。
面会室のガラス越しに写す
ファニーの表情のアップ。
語られる愛の言葉とは裏腹に
ティッシュをしかと見つめる
傷つきやつれた形相からは
不条理な拘束に対する
怒りや諦観が顔を覗かせる。
白人男性の黒人女性に対する扱いが
まるで選び放題の商品のようで
計り知れない嫌悪感が胸に溢れた。
観賞後に我々が味わう
遣り場のない様々な感情
おそらく彼らは
常にそれらを抱え生きている。
コメントする