「薄味スプラッター!!」ハロウィン 梅吉さんの映画レビュー(感想・評価)
薄味スプラッター!!
ハロウィンは今作が初鑑賞。一応、今作と繋がりがある一作目の情報を予習して鑑賞に臨んだ。ブギーマンのビジュアルがカッコ良く、昨今では珍しいド直球のスプラッター物ということで期待して劇場に足を運んだが、結果はいまいちだった。
まずブギーマンの殺し方にバリエーションが少なく、撲殺、絞殺かナイフでの刺殺を延々と見せられる。こういったスプラッター物は、殺し方をどう工夫するかによって観客に驚きや恐怖を与えてくれるものだが、あまりにもワンパターンすぎて早い段階で飽きが来る。
しかも殺害シーンをしっかり見せてくれず、カメラに映らない所で殺害し後で惨殺された死体が映るというパターンが多い。R-15にも関わらず、こんな逃げ腰な描き方では白けてしまう。
作り手側の、『ブギーマンを久しぶりに復活させてスプラッター映画を作りたいけど、幅広い層に見てほしいから残酷描写ほどほどの軽めの作品にしよう』という気持ちが透けて見えるようだ。
こんな薄味の、どこにでもあるようなスプラッターを今の時代に見せられても、何番煎じだよオイ!と思ってしまう。
悪い所ばかり書いてきたが、良いところもある。
最初の精神病院のシーン、マイケル初登場からタイトルが出るまでの流れは、これから恐ろしいことが起こるという期待感が煽られて良い演出になっている。また、ラストで家族三代の女性が共闘してマイケルを仕留める下りは熱い展開だった。ここがなければ、もっと評価は下がっていただろう。
しかしながら、男性の登場人物が全員ボンクラで誰一人使えないのはいかがなものか?父親が最初の方でネズミ捕りを作りながら、罠を作るのが得意だとか言っていたのに、最終決戦ではあっさり殺されてしまった。最初の下りは伏線だと勝手に思っていたので、肩すかしだった。
こういった具合に、非常に薄味のどこにでもあるスプラッター映画になってしまっている。期待しないで軽い気持ちで見に行く分にはいいのでは、という感じかな。