さらば愛しきアウトローのレビュー・感想・評価
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これじゃ終われない
ロバート・レッドフォードが引退作だと公言してはいるけど、まだまだやれると信じたい。確かに走馬灯のように流れる脱獄シーンには、過去出演作をイメージしたかのような作り方でした。しかし、老人なら老人でいくらでも作れるはず!
もしかしたらサンダンスが生きていて、こんな老人になってしまったという話かと思ってたのですが、フォレスト・タッカーという男は実在の人物とのこと。アウトローなんて短命なんだろうけど、この紳士的な強盗ぶりは誰もが唖然としたまま金を渡してしまいがち。シシー・スペイセク演ずるジュエルという女性も、余生をどう生きるべきか悩んでたことだろうし、この二人の関係も心地よかった。
補聴器を直しながら仲間(ダニー・グローバーとトム・ウェイツ)と老人会のように語り合うシーンもいいなぁ・・・彼らが強盗するんだから。人生の楽しみ方を間違ってはいると思うけど、こんな犯罪者もいるんだと、アメリカは広いんだなぁと、しみじみ思う。
永遠の風来坊レッドフォード
登山家が山を登る理由を聞かれ、「そこに山があるから」と答えるように、「そこに銀行があるから」強盗を働くフォレスト。
かといって金に執着するでもなく、盗んだ金を散財するでもない。
綿密に計画を立てて行動に移し、強奪に成功するまでのスリルとカタルシスを求める、“バンクラバー・ジャンキー”となっている。
新聞記者や大富豪、パイロットにスキーレーサーなど様々な役を演じてきたレッドフォードだが、やはり彼はこうした安住の地を求めない役が一番ハマっている。
顔がシワだらけになっても、彼は永遠の風来坊。
本作で俳優引退を公言しているが、もし彼が、「隠居生活に飽きたから」とサラリと俳優復帰しても、世間は歓迎するだろう。
ロバート・レッドフォードの人生と主人公を重ね合わせた映画
60~70年代のトップスターだった、ロバート・レッドフォード俳優引退作。
レッドフォードと言えば、自分が子供の頃の代表的な2枚目スターだったけど、やがてビックバジェットのメジャー映画ではほとんど見かけなくなってしまった。
ハリウッドに背を向けた彼は、インディペンデント映画を中心に監督・俳優として活躍しながら、サンダンス映画祭など、インディペンデントの若手監督や製作者を支援する事業も続け、まさに自由に“映画”を楽しみ続けた人。
そんな彼が、俳優引退作に選んだのがフォレスト・タッカーという伝説の犯罪者の役で、原題は「老人と海」を意識した「oldmen&thegun」(老人と銃)。
70年代映画を思わせるルックと、ゆったり間を取った悠々とした演技で、タッカーと自身の歴史を重ね合わせている。
俳優出演最後の映画としては、文句無し作品
ロバート・レッドフォードの俳優引退作品。
舞台は1981年。実在の老銀行強盗をレッドフォードがリラックスしながらチャーミングに演じて心地よい。
70年代の映画のようなフィルム・ルックスと悠々たる演出だか、カット割りやテンポは、ちゃんと現在の映画である。
シシー・スペイセクやダニー・グローバー達老優とケイシー・アフレックの若手がレッドフォード最後の花道を看取る。
最後の映画としては、文句無い作品。
圧倒的人生観
めちゃ面白かった。ロバート・レッドフォードの存在感がとても高かった上に、みごとにタッカーに合致している。タッカーは犯罪者ではあったけど、めちゃ紳士的で人生を楽しむといった人生観がとても共感でき、犯罪者にも関わらず尊敬してしまう存在、とてもいい映画だった。
「異性が犯罪者だったら愛せますか?」
今年121本目。
自分は愛せないですけど、この作品では愛せると言う映画でした。
最初の車の2人の会話で「あ、この映画いい作品になるな」と直感がありました。80年代の話ですが、80年代テイストの映画好き何ですよね。最近だと減りましたが、こう言う味のある背景と俳優の映画たまに見たいです。
楽じゃなく楽しい生き方を選ぶ、貫こうと思います。
あまり容易く語ってはいけない気がする処だが…
往年のロバート・レッドフォードを観たい❗️と思っても,あまり身近の映画館で上映してる場所が少なくて困っていたが… 非常に良く知ってる人は色々と語っている様だが、殆ど深く知らない私からの見解を語っておこうと思う。 とにかく題材が脱獄と強盗を16回も繰り返した実話‼️という処。 其れを普通(とは言わないかぁ⁉︎)にさり気なく1本の映画作品にしてしまった事自体だけで,(言い方悪くなっちゃうのは致し方ないが)若い役者には絶対に出せない魅力のある,雰囲気?オーラ?貫禄?(当て嵌まる言葉が見当たらないが)で、面白味?(ジーンと残るモノ?)も感じさせてくれた,素晴らしい作品に仕上がっているんじゃないですかぁ⁉︎何て問いてみたくなったのが正直な感想かな⁉️
さらば愛しきレッドフォード❗
星🌟🌟🌟🌟ロバート・レッドフォードの作品は初めて観たのですが…往年の映画スターだけあってなかなか貫禄があり上手に主役を演じていましたが…ちょっと作品的にはあんまり彼の良さ…アウトロー的なかっこいいところがイマイチ引き出されてなかった気がします❗作品的には無難に彼が演じているので観れる作品にはなっていますが引退作品にしてはちょっと物足りない気がします❗できたらもう一本これぞロバート・レッドフォードをだ❗と思うような作品に出て欲しかったです❗体力的な面も有ったのかも知れませんが…
錯綜する男のロマンがすがすがしい
銃を使わずに見せるだけの銀行強盗に人生の楽しみを求める老人。神出鬼没なその老人を自分の手で逮捕することを夢見るしがない刑事。そんな二人の生き様が交錯する。さて結末はいかに?見てのお楽しみ!
ロマンを追う役を多くやってきたロバートレッドフォードの引退作にふさわしい役だし彼自身のロマンを感じた。
まさに老獪な余裕。痛快アウトローの雄姿。
【賛否両論チェック】
賛:ロバート・レッドフォード演じるタッカーの、誰も傷つけずに穏やかに強盗を成功させていく余裕に、ベテランの味わいを感じさせる。
否:物語はかなり淡々と進むので、気をつけないと眠くなってしまいそう。ラストもかなり唐突な印象が否めない。
これぞまさにベテランの余裕といいますか、老獪さといいますか、ピストル強盗でありながら決して声を荒らげることなく、紳士的にニコニコしながら強盗を成功させていくタッカーの姿が、アウトローでありながらどこかクールでカッコよさを併せ持っているようです。そんなタッカーの味のある佇まいを醸し出しているロバート・レッドフォードも、またステキです。
ただストーリーそのものはかなり淡々と進んでいく印象なので、もっとサスペンスチックな内容を期待して観てしまうと、思わず眠くなってしまうかも知れません(笑)。
ラストも結構呆気なく突然終わってしまう感も否めませんが、ロバート・レッドフォードの引退作でもありますので、是非チェックしてみて下さい。
さらば銀幕のレッドフォード
銀幕スターという言葉はもはや死語だと思っていたが、それが思い込みであったことに気づかされる。80歳を過ぎていてもレッドフォードの所作やセリフからは、色気やカッコよさが滲み出る。アラン・ドロンやオードリー・ペップバーンがそうであったように、演技やルックスだけではなく、その俳優本人にしかない、そして我々の手に届かない魅力をスクリーンに刻む者こそが銀幕スターであることを改めて思い知らされた。
80年代に実在した74歳の銀行強盗フォレスト・タッカーの半生に基づく物語であるものの、やはり『明日に向かって撃て』や『スティング』でレッドフォードが演じたキャラクターがそのまま年老いたように見えてしまうのも微笑ましい。ヒロインにシシー・スペイセクを配役したところもまた巧い。年の離れた若い女性ではなく、年相応の相手を口説き落としていく男の魅力。私も男でありながら、始終レッドフォードに釘付けになるほど魅了させられた。
レッドフォードの俳優引退作と謳った作品であるが故に自らメガホンを取ることもできたであろう。しかし、監督をデヴィッド・ロウリーに託したのはアメリカン・ニューシネマの灯火を若手監督に受け継ぎたかったのではないだろうか。予告編(そしてヒロインからも)から『地獄の逃避行』のような展開を想像したが、そんな結末は彼の引退作には似合わない。
ー楽に生きたいんじゃない、楽しく生きたんだー、カッコいいとはこういうこと、俳優とはこういうもの、そして、これこそが自分の俳優人生なんだと背中で語るような幕引き。スクリーンに恋をするという体験は久しくなかったが、そんな素敵な時間を与えてくれるのも銀幕スターこそなせる業。「さらば銀幕のレッドフォード!」という賞賛の声と共に心からの拍手で送り出してあげたい。
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