ちいさな独裁者のレビュー・感想・評価
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新視点のナチ
史実は正面から受け止めねばならないのは十分理解しつつ、ナチを描いた映画は避けてました。だって多すぎ&誤解を恐れずに言えば飽きたもん。
で、これ。ユダヤ人も強制収容所も出てこない、なのにナチの狂気がここまでかと思わせるすごく新鮮な映画でした。ナチスってヒトラーというカリスマで狂気の指導者とその身近にいたシンパのことだと思ってたけどその狂気は底の底まで浸透してたのか、いや彼が狂気なだけだったのか分からない、けど怖い、人間てやっぱ怖い!と思った映画でした。
にしても21歳って..生きてたら何者かになってたかも。
権力は蜜の味
第二次大戦末期、実際に起きた出来事。
脱走兵が、偶然、ナチス将校の制服を手に入れたことから、その将校になりすます。命令する事が快感になり、ついに、彼は暴走し始める・・・。
いやぁ、こんな事があるんですね。大尉にしては若すぎるとか、思わなかったのかな?当時のドイツは、かなりの形式主義でもあるのですが、逆に言うと、形式が整っていれば、疑う事は無いと言う事か。それに、絶対的権力者が居たので、ある意味その絶対的権力者の威光も借りていたので、発覚しなかったと言う事なのでしょうね。
それにしても、徐々に権力の魔力に取りつかれ、暴走し始めるのは怖いですね。でも、アイヒマン実験、あるいは、スタンフォード監獄実験(この実験は、最近、やらせが疑われていますが)でも見られるように、人は権威・権力のある(ありそうな)人物には、どんな命令でも従ってしまう様ですから、戦時下、しかも負け戦と言う異常な状態では、簡単にこう言う状態に陥ってしまうかもしれませんね。
最後のエンドロールが見もの。実際の街中で、この作品の衣装を着て、街の人たちを取り調べるシーンがあるんですが、意外に、食って掛かる人はいないんですよねぇ。一種のユニフォーム効果なのかなぁ。
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