「ちいさな嘘、大きな犠牲」ちいさな独裁者 めるさんの映画レビュー(感想・評価)
ちいさな嘘、大きな犠牲
ここ最近、映画は観ているもののレビューつけてないもの複数。そして、風邪でぼーっとした頭で書いているため誤字脱字、まとまりのない文章であることをあらかじめお伝えしておきます😅
軍規則に反して命からがら逃走したヘロルト。たまたま見つけた軍服により演技をすることになるが…という話。予備知識はほとんどなくみたが、まさかの実話をもとに作成。しかもヘロルト21歳!周りの人はこんな若造がと思わなかったのか数字だけ聞くと不思議に思うが、堂々たる振る舞いにより本当に総統直々に命を受けて実行していると思わされる。あの時代の混乱の中、嘘が見抜ける人はいなかっただろう。
見た目を変えるとなんだか自信が出るという感覚はわかる。例えば、お気に入りの服や爪なんかも綺麗にして出かけると自分がとてもできる女(錯覚やけど笑)になった気になり自信がつく。なりたい人になるにはまず真似るというのを地でいった話である。
そしてこのヘロルト、生きたいという欲求がとてつもなく強い。手帳を出せなど危ない場面は何度かあったがそれも持ち前の演技力でカバー。ネタバレになるが、最前線に送られそうになり逃げるのも。下手したら第二のヒトラーになっていたかもしれない。
鑑賞後、この映画について調べたが監督はいいナチスが出てくる映画を作りたくなかったと語っていた。確かにこの映画にはいいナチスは1人も出てこない。変に悪のヒーロー化しようともしていないし、音楽で場面を無理やり盛り上げるなど小細工もしていない。事実を淡々と描くことで観客に訴えかけている。直接的な残酷シーンはほぼないが、どんよりと胸に残る映画となった。21歳の何者でもなかった若者を殺戮者にした戦争とはいったい…
