「とても面白かった」ちいさな独裁者 はりおさんの映画レビュー(感想・評価)
とても面白かった
重いテーマながら画面の美しさ、サウンドの良さ、テンポの軽快さのおかげでのめり込むように見れた
役者がとにかくうまい
撮影中役者も監督もショック状態になることがあったらしいですが、映画ですらあれほど衝撃的なのに実際はどれほど悲惨でショッキングだったことだろう、と思った
サディスティックな笑みといい、次に何を言い出すかわからない感じといい、ときどき幼いような笑顔を見せるかんじといい主演のフーバッヒャー、本当にうまい
ヘロルトは21歳だった、という部分、あの若さであれだけ堂々とやってのけた、というのは素直に驚きというか、いっそ感心すらする
カリスマというか度胸というか、戦時下だからできたのか、それとも彼にもともと備わった気質なのかわからないが…
フライタークやキピンスキーもとても良かった
二人ともほんとうに隊からはぐれたのか脱走したのか定かではないけど、運とタイミングによっては収容所にいれられていたかもしれない、と思いながら見ていた(もちろんヘロルトも)
ヘロルトがくるまでは単なる収容所だったのが、みるみる変わっていくさまがすごい
特にシュッテの妻(ゲルダだっけ?)が冷たい目をして拳銃を取り出したシーンはヘロルトの影響力の凄まじさだけでなく、影響を受けてしまう側の人間の恐ろしさを見た
エンディングで現代ドイツに現れたヘロルトたち、あれゲリラでやったんだろうか、役者なんだろうか…
よく怒られなかったなー
21世紀の街中でも姿勢を崩さずヘロルト隊がヘロルト隊であったのが、なんか役者の凄さを見たというか
女性のフードを後ろからヒョイッととったのが印象に残ったんだけど、あのおちょくるような感じ、なかなかできない…
総合してとても面白かった
テーマもよいし作品としての完成度も高いし多くの人に見てもらいたい