「制服と権威になびく小市民」ちいさな独裁者 abukumさんの映画レビュー(感想・評価)
制服と権威になびく小市民
制服を着て信用させるというのは、人間の社会的心理を利用した詐欺ですが、今でも行われています。警察官の制服をきた人が何か言えば、皆従うでしょう。帝銀事件は「白衣」と「腕章」が信用されました。
制服の権威で権力を得た小人はやがて、怪物へと変化していく。
他のレビューアーが指摘されているように、この小国の総理や取り巻きの政治家、高級官僚に通じるものがあります。権力の快感と執着!
やがてトランプやプーチンが英雄に見えてくる……。恐ろしいことですが、現実。
でも本当に怖いのは、権威に追従する部下=われわれ小市民の心理です。残虐なことも「総統が憂いておられる」と言われると、いともたやすく受け入れていく。
我が国でいえば、15年戦争のときには「天皇陛下」の名の下に全てが正当化されていた。
今やそれも過去のことではなく、それは、天皇という言葉への日本人の過剰反応を見てわかります。
エンドロールでトランジットモールに乱入した「ヘロルト即決裁判所」部隊の姿は、正に今ここにある危機の象徴。映画の恐怖ではなく現実の恐怖に目を向けろと監督に言われている気がしました。
我が国の沖縄辺野古基地周辺では、すでにああいった怪物が出現して市民に暴力を奮っているのを直視することが、求められています。
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