蜜蜂と遠雷のレビュー・感想・評価
全81件中、1~20件目を表示
映画化って時点で仕方がありませんね。
実際の演奏を、迫力のある映画館の音で聴けたのが良かったです。でも、原作の方が好きなので-1。ずいずいずっころばしが聞けなかったので-0.5。やはり、原作ありきの映画は、原作を初見で味わっておくべきだなと実感しました。
原作は越えられなかった…
原作を読み終わってすぐに鑑賞したせいかもしれないけれど、思っていた以上に展開が早過ぎてまったく感情移入できなかった、、
あの超大作を一本の映画に収めなくてはならないから、色んな箇所を端折るのは仕方ないけれど、どうしても私は奏がいなかった事が納得できず…涙
亜夜が復活できたのはマサルや塵の影響があるけれど、やはりずっと側で見守ってきた奏のおかげでもあると思う。
亜夜が完全復活できた演奏を会場で聴いて、マサルと涙するシーンがあったら、映画により感動を与えられたんじゃないかな…と、、
ただ、松岡茉優と鈴鹿央士はめちゃくちゃハマり役だった!
2人とも小説から出てきたみたい!
特に鈴鹿央士はもう雰囲気からなにから風間塵にしか見えなかった!
マサルは、、もう少しハーフ寄りの金髪イケメンが良かったなぁ、、
リエコ役の斉藤由貴さんとシルヴァーバーク役の俳優さんもなんだかイメージと合わず、、
あと、亜夜は悩みながらコンクールに出てはいたけど、もう少し明るいキャラだったと思う。
それこそ、原作では“この子は本当に大丈夫なのかな!?”って奏が心配してたくらいだから…笑
そう考えたら、やっぱり奏がいた方が亜夜という人物をもっと深掘りできた気がする。
とはいえ、ピアノ演奏はとても素晴らしかった。
あーなんだかもったいない作品だったなぁ…
脚本家の方、、原作が重厚過ぎたからちゃんと読まなかった??
しっかり読んでたら、飛ばしちゃいけないエピソードたくさんあったと思うけどなぁ……
残念…
ギフトと、から破り
見ごたえのある音楽映画になっている。原作のエッセンスだけをきちんと押さえ短いシーンで想像させる手法は秀逸。それでいて、主人公の心象シーンはしっかりと時間をとって、彼女が一つ殻を破って成長する感じを表す。だから、コンチェルトシーンは主人公が完全に超えた演技になっている。
ピアニスト役の皆さんはその人生と性格がよくわかるようなわかりやすい演奏を演じていて素敵だった。いかに音楽音痴でも感じることができるところが良いね。
それにしても、ギフトとか天才の域って恐るべし。圧倒されたのは海岸で足跡がモーツアルト。そんな人なら、雨音も遠雷も音楽になるんだろう。凡人に及ばない世界。
皆川先生の講義で「音楽」と「音学」の違いを聞いた記憶があるような。主人公たちは「音楽」の域も超え、名演奏家になるんだろうな。
ピアニストたちへの尊敬と愛情を感じた。
石川慶 脚本・監督による2019年製作(119分/G)の日本映画。
配給:東宝、劇場公開日:2019年10月4日。
原作はとても有名らしいが、漫画も含めて未読。
最近、ピアニストやピアノコンクールに関心が高いこともあってか、とても興味深く見ることが出来た。ライバルとなる登場ピアニスト達もかなり個性的で面白い。
特に、弾けなくなってしまった元天才少女という松岡茉優演ずる亜夜のキャラクター設定は印象に残った。ピアノ代演の河村尚子( ミュンヘン国際音楽コンクール2006年 第2位)による演奏も、とても良かった。特に、プロコフィエフのピアノ協奏曲第3番は、こういう素晴らしい曲の存在を知ることもできた意味でも嬉しかった。
亜夜と森崎ウィン演じるマサルが同門で、マサルが天才亜夜をずっと追いかけていたという設定も、前回ショパンコンクール準優勝者反田恭平と小林愛実の関係性を、思い起こされた。天才少年と言われていた鈴鹿央士を演していたのが風間塵。みじかにいないので、本当のところわからないが、イメージとしての天才らしさが表現されていた。代演奏がイメージが合致する藤田真央(1998年生まれ、チャイコフスキー国際コンクール2019年第2位)というのも嬉しかった。
全体として、音楽に全てをかける若者たちの葛藤や凄みに光が当たっていたのを嬉しく思った。また、コンクール優勝者マサル(森崎ウィン)に語らせていた様に、クラシック界にピアノ演奏だけでなく、ショパンやリストの様に作曲もできる大音楽家を待望したい。
監督石川慶、原作恩田陸、脚本石川慶、製作市川南、エグゼクティブプロデューサー山内章弘、プロデューサー佐藤善宏 、石黒裕亮 、加倉井誠人、ラインプロデューサー大西洋志、プロダクション統括佐藤毅、撮影監督ピオトル・ニエミイスキ、照明宗賢次郎、録音久連石由文、美術我妻弘之、装飾篠田公史、スタイリスト高橋さやか、ヘアメイク酒井夢月、スクリプター藤島理恵、VFXスーパーバイザー廣田隼也、編集太田義則、音響効果柴崎憲治、劇中音楽篠田大介、音楽プロデューサー杉田寿宏、「春と修羅」作曲藤倉大、ピアノ演奏河村尚子 、福間洸太朗、 金子三勇士、 藤田真央、オーケストラ演奏東京フィルハーモニー交響楽団、助監督川口浩史、製作担当相良晶。
出演
松岡茉優栄伝亜夜、松坂桃李高島明石、森崎ウィンマサル・カルロス・レヴィ・アナトール、鈴鹿央士風間塵、臼田あさ美高島満智子、藤原しおり仁科雅美、ブルゾンちえみ、
福島リラジェニファ・チャン、眞島秀和、片桐はいり、光石研菱沼忠明、平田満田久保寛、
アンジェイ・ヒラナサニエル・シルヴァーバーグ、斉藤由貴嵯峨三枝子、鹿賀丈史小野寺昌幸。
小説の方が良いけれど…
恩田陸の「蜜蜂と遠雷」の映画化版。小説を読んでからの視聴だったけれど、やっぱり小説の方が心理描写、音楽の修辞とかが優れていたという記憶がある。しかし、それぞれの審査における演奏を通して、キャラクターを把握できるのは映画ならでは。風間の世俗化されていない純粋さ、母親から、音の原点を学んだ栄伝、栄伝を追いかけたマサル。それぞれが、刺激し合い、自然と高まっていく様子は、天才たちならではの世界だった。音楽映画だけあって、ピアノの音の録音が秀逸で、透明感溢れる世界が表現されていた。映画にして、小説では表せない部分が補われた。
プロコフィエフ ピアノコンチェルト 3番!
映画後半部は原作よりもしっかりしていると思います。つまり、面白いです。
この映画見て、プロコフィエフが好きになり、牛田智大さんのコンサートで、三番を読響 マエストロ井上道義 指揮 で聞きました。最高です。2番も好きなんだけど、まだ、生で聞いていない。
牛田智大さん、お願いします。ショパンばかりが貴方の価値ではないです。2番の最後を貴方の演奏で聞きたいです。映画と関係ないですね。脱線しました。
wikiの表記エイデンとマサルの演奏曲逆だと思うが。エイデンが三番だと思う。誰か直して。
そうか! 原作と映画が逆なんだ。だから、映画の方が面白く感じたのかも。
いずれにしても、クラシック音楽ってお高くとまっているって感じかなぁ。実際、中産階級以上じゃないと無理。まぁ、演奏する側は。僕は幸い聞く側なので、そんな事関係ないですね。だから、クラシックの場合、本当は演奏者が誰であるかは二の次。作品名で良し悪しを決めている。
反田さんと牛田さんの違いは残念ながら僕には分からない。JAZZは違うけど。
来週はきちんと評価します。
今日 2024年1月28日 14時00分かつしかシンフォニーヒルズ読売日本交響楽団 藤岡幸夫マエストロ ピアノ亀井聖矢さん
プロコフィエフピアノ協奏曲第3番だぜ♥
やっぱり、生演奏は良いですね。河村尚子さんも良いと思うが、やっぱり、眼の前で演じてくれる本当の演奏は迫力がぜんぜん違う。気が入るつうのかなぁ。
がっかり
原作に感動して映画があることを知り鑑賞しました。
悪い意味で驚きです。
・人物設定が原作と変わっている
・重要な人物・シーンが省かれている一方不要な(と感じた)シーン・人物が存在する
映画化とはそういうものなのかもしれませんが期待しただけに落胆も大きいです。
ラストで本選の亜夜の演奏シーンが非常に長く描かれており、復活劇の位置づけなのかもしれませんが、1次2次3次予選全てあってこそ、むしろ予選での心の動きが重要なのでここだけ延々と見せられても…です。
風間塵がギフトたる所以などは一切伝わってこず、先生の格好つけた推薦状にしか見えませんでした。
原作を先に読んだので映画も観ましたが、映画を先に観ていたら原作を読みたいとは思わなかったと思います。
高評価のレビューを読んで原作未読なら楽しめたのかと自問しましたが、やはり人物描写が薄っぺらいので退屈しただろうと思いました。
どう終わらすのか気になり最後まで見ましたが、楽しめず残念でした。
いくらなんでも原作と違いすぎる
驚きました…
こういう映画になっていたとは…
原作そのままな訳はないと思っていたけど、こんなに違うとは予想してなくて。
これはこれで良かったのだけど、率直に言って、観たいと思っていたのは「これではない。」かな。
誤解されたくないのだけど、原作をなぞることを期待しないで観られれば、十二分におもしろい。
良い映画だったと思います。
(以下、ネタバレあります)
まず、キャラの性格ね。
監督の思うキャラ設定と私の主観が異なるのは、まあ、当然なのだけど、それを差っ引いても「亜夜が演奏を怖がりすぎ」と感じてしまった。
一次審査の演奏も、原作では、元.天才少女の面目躍如。
映画では「通過は確実だけど、かつての輝きはない」
明石は、(私の)イメージ通りだったけど、マサルは、思うより、ずっと庶民的だったし、塵は単なる「ピアノの上手い無邪気な男の子」だった。
何より違和感があったのは、指揮者。
原作では、懐の深い紳士だったのに、気難しいキャラに。
なぜか、ブラ1とか、モツレク演奏してるし。
原作通りだったのは、それぞれの「生い立ち」の設定と「風間塵が周りに影響を与える」という設定くらい。
あ、「月の光」の連弾は、数少ない共通エピソードか。
あのシーンは、良かった。
演奏も良かった。
繰り返しになるけど、原作に拘らなければ、とてもおもしろい映画だったと思います。
実際、今日の昼間に観に行ったカミサンと娘達は、とても良かったと言ってるし。
(3人とも、原作は読んでいません)
ただ、私は、松岡茉優に「原作通りの栄伝亜夜」を演じてもらいたかったのだと思う。
演奏から逃げたことがトラウマになっている亜夜ではなく、それは整理した上で、音楽との向き合い方に悩んでいる栄伝亜夜を見たかったの。
「音楽との向き合い方に悩んでいる」とか言いながら、ひとたび演奏すれば、さらっと周りを凌駕する。
それが嫌味にならない、天然の朗らかさのある亜夜。
私の勝手な希望ですけどね。
雨の音。うーん、良い音を拾ってきました
映画「蜜蜂と遠雷」(石川慶監督)から。
「ピアノコンクール」自体、私の知らない世界なので、
どこまで、興味を持って観続けられるだろうか、
そんな心配をしたが要らぬ心配だった。
この音楽の世界って、いくらフィクションとはいえ、
これに近い感覚で、葛藤があり、競い合うことだと理解できた。
だからこそ私の関心は、映画を離れ、ノンフィクションとして
どうしたらこんな感覚を持った子どもを育てることができるのか、だった。
もちろん、本人の資質・努力もあるだろうし、指導する先生方、
その他、いろいろな生活環境が、彼ら、彼女らを刺激していた。
いや、もっとその前に、初めてピアノに触れた頃の接し方が気になった。
それを教えてくれたのは、ピアノの楽しさを教えてくれて母の死をきっかけに、
ピアノが弾けなくなったかつての天才少女・栄伝亜夜さんの幼少時期の様子。
耳を澄まし、生活の中で感じたことを音に変えていくシーン。
「雨の音。うーん、良い音を拾ってきました」と我が子に伝える母、
何度となく登場する「世界は音楽で溢れている」よりも、印象的だった。
そして「あなたが世界を鳴らすのよ」の台詞がダメ押し。
自然の音(雨の音)をピアノの音階で表現するなんて、
考えたこともなかった私は、絶対音感ってこんなことなんだな、と
少しだけ、音楽の楽しさを教えていただいた気がする。
この原作って、文字でどう記されているのだろう・・・
う~ん早速、図書館・本屋で探さなくちゃ。
P.S.
エンドロールで見つけたフレーズ
「この映画の制作に際し、動物に危害は加えられていません」
この表現って、本当にいるのかなぁ。(汗)
世界を音楽で表現できる人達
世界が音楽で溢れてる。
なんかそんなことを素人の俺にも納得させてくれる映画。
それぞれの天才達の音楽への取り組みかたがメリハリ効いてて面白い。
ピアノ、音楽が題材であるけれど、それを表現するのに映像がうまく活かされてる。
世界を音楽で満たすのは天才達。
映画館で見たかった。
音楽村の若者たち
文庫にしても厚さ2cmで上下巻の大作、そもそもクラシックは長いので完奏は無理でしょう、そこで登場人物やエピソードの割愛やハイライト編集に頼らざるを得ませんね、加えて読み物なら読者の感性次第で補えますがなまじ具現化してしまうので上手に映画化するのは超難関だったでしょう。
出場者はライバル心剥き出しかと思ったら和気あいあい、お互いが触発しあって演奏を熟成してゆくプロセスは実に微笑ましい。特に月を見て、ドビッシーの「月の光」やベートーベンの「月光」、意外だったのは「It's Only a Paper Moon」まで聞かせてくれる大サービスにはやられました。
まあ、ドラマ・ツルギ―としては敵役も必要なのでしょう、横柄な審査員や上からものを言う指揮者など音楽村の権威主義が鼻につくのはクラシック界の残念な実状かも知れませんね、鹿賀丈史が上手すぎて、「セッション」のJKシモンズ登場かと身構えてしまいました。
亜夜ちゃんが過去のトラウマで本選に尻込みしているのは分かりますが、肝心なところで気を揉ませるのは悪趣味ですね、母との思い出、音の謎々での雨音や馬の蹄のリズムの象徴としても嵐の黒馬の映像は不気味過ぎやしませんかね、その辺がポーランド留学で映画を学んだ石川監督のユニークな感性なのでしょうか・・。
のだめは越えられない
やはりクラシック音楽を描いた映画には
“解説役”が必要だと思う。
原作には出てくる奏ちゃんがいないと、アヤのキャラクターや言葉が理解しきれず、天才ぶりが伝わりきれていないんじゃないかと感じた。
マサルのイメージが原作とは違ったが、キラキラ王子具合が完成されていたのが良かった。
ただ、ナサニエルとの信頼関係は描いて欲しい。
1番残念だったのは松坂桃李の演奏シーン。
発表会か?というくらいぎこちなく、間に合わなかったのなら撮り方を変えればいいのに…
好きな俳優さんだっただけにガッカリ。
そのせいか明石の印象がとにかくダサくなってしまった。
そして明石の妻は綺麗すぎる。
ぼろ家にあんなに綺麗な夫婦は違和感がありすぎて、家族でのシーンが嘘臭くみえる。
一方、鈴鹿央士は
初めて映画に出演したとは思えない演技だった。
というか鈴鹿央士と風間塵の相性がすごく良かったんだと思う。
それにピアノの弾きっぷりが最高。
春と修羅がぼんやり終わり過ぎていて
観客の反応をもっと見せて欲しかった。
なんだか不完全燃焼な気持ちになってのだめカンタービレを一から観始めました。
奏でられる音によって表現されるそれぞれの人物像
映像化不可能と言われた恩田陸さんの小説を映画化。
導入以降は説明的な場面はほとんどなく、それぞれの人物像をそれぞれが奏でる音によって表現していくような、とても音楽が大切にされている映画。
純粋に音楽が楽しくて堪らない塵と、塵と同じような気持ちでピアノを弾いていたかつての自分を見失ってしまった亜矢が、月を眺めながら連弾する場面がとても美しく印象に残りました。
WOWOWにて鑑賞。 そこまで期待してなかったけど、面白かった。 ...
WOWOWにて鑑賞。
そこまで期待してなかったけど、面白かった。
ピアノ映画だけあって、音楽だいぶ力入れてますねー。
松岡茉優、鈴木先生やあまちゃんの時から見てるけど、
だいぶ大物になったなぁ。目力、オーラ凄すぎ。
鹿賀丈史は、面白いんだよなー
原作と映画両方楽しめる
原作を読んでどのように映画では表現されているのか気になり鑑賞した。
原作では上下巻あり、演奏部分も事細かに描かれているが、映画では2時間という尺の中だったということもあり原作では風間塵がむしろ中心となっているのだが、内容は栄伝亜夜の苦悩と復活を中心としたストーリーであった。登場人物にそれぞれ個性があり、深みがあるので、ストーリーはやはり原作のほうが面白い。ただ音楽に関しては素人目に見ても楽しめて、コンテスタントの方々の苦悩と音楽への愛情がしっかりと伝わってきた。
原作が素晴らしく、また音楽を映画にするということで制作するのは難しいテーマであったかもしれないが、完成度は高くできていたと思う。
映画を観た方は映画を、映画を観た方は原作を読んでほしい作品であった。
分からん
原作は未読です。
「分からん」としたのは、ストーリーでは無いです。ストーリーそのものは難しいものでは無いんだが、2時間の枠におさめる為に、各キャラクターが抱えている心情が殆ど書かれていないので、何で「今、こういう事をしているのか」などが伝わってこない。
主人公であろう、松岡茉優の演じる元天才ピアニスト少女は7年間、表舞台から姿を消していた。切っ掛けが母の死であろう事は想像つくんだけど、母の死後のコンテストでピアノが弾けない、オーケストラのメンバーが敵意を持った目で彼女を見る(本人の錯覚・思い込みなんだろうけど)、そして何故、7年も姿を消して、その間何をしていたか、何故復帰したのか、等が一切分からないので、今の彼女に感情移入が出来ない。全編、全キャラに対して同様。役者はみんな上手い人を使っているのに残念。
レンタルで観たが、かなり演奏の時間が多いので、薄型テレビだけ、サウンドバーだけの環境では話も面白く無い、音も迫力無いで全くつまらないだろうな。自分はそれなりのシステムを使っているので、ストーリーは兎も角、演奏はそれなりに聴けたけども。
綺麗な映画
小説を読んでから観ようか迷ってたが、
レンタル開始されたので即借りて視聴。
この手の映画でよくありがちな中だるみや
つまらなさは感じず、
ピアノのことに詳しくなくても
話に没頭できる内容でした。
あと、キービジュでキャスト見てどうかな?って思ったけど、
本当このキャスティングで良かったと思う。
最後、コンクールの結果だけ文字で出てエンドロールという展開には
監督の優しさも感じられたし、
すごく良い映画を観たという気持ちでいっぱいになりました。
近々小説も読んでみよう。
ピアノがわからなくても観賞できる作品。
ピアノを、全く経験したがことないため作中でのピアノの演奏については凄いとしか言いようがない。
しかし、この映画はピアノの演奏のみならずピアノを、演奏することから逃げてきた亜夜が3人のピアノコンサルタントを通じて自分の過去と向き合うことで真の音楽にありつくまでのドキュメンタリーとしても観ることができると感じた。
また、作品の構成としても多少の時間軸の変化はあるにしても非常に単純で見やすいものになっていたと感じた。
言葉よりも音や景色で語る映画。
クラシックやピアノの専門的なことはぜんぜんわからないし、主人公たちの考えやバックグラウンドもそれほど詳しく言葉では語られない。それでも、彼らの人柄や感情や成長が、曲を通して伝わってくる。それに絶妙に絡むのが、海や雨や月の光。「世界が鳴っている」という天才たちしか到達しない感覚が、こちら側の人間にも少し伝わってくるようだった。
その天才たちと、こちら側をつないでくれた松坂桃李の存在感!
最後、コンクールの結果をみたとき、彼の音楽もしっかりとわかってくれる人がいた、というところに一番ぐっときた。
多くを語らず、淡々と結果だけを見せるあのラストもかっこいいなあ。風間くんやあやちゃんはきっとこれからも前に進める。
何も説明がなくても、これまでの2時間の描写の力強さがあるから、きっとそうだと信じられた。
ソリッド・ステイト・プレイヤー
とても荘厳で、重力、重圧のかかるクライマックス迄のコンテストの舞台設定と、そこからの解き放たれるピアノの迸りのダイナミックさ、鋭さが、今迄のこういうピアニスト作品の中で群を抜いて表現力の高さとして具現化できた実例として掲示されたものはないと断言できる程素晴らしい。原作未読なので、あくまで映画での感想だが、この緊張と破裂をここまで緻密に厳しく突き詰めた構築は邦画では表現できてなかったかも知れない。そう思う程の作り込まれた出来である。
比較として引合いに出すものではないだろうが、例えばアニメ『四月は君の嘘』のような、ピアニスト達のそれぞれの内面や環境、境遇、そして関係性を丁寧に描くことで、ピアノ自体に疎い素人の自分でも楽しむことが出来る手法が主だと思うが、今作は出来る限りその内容は匂わす程度で、全てをさらけ出さず、あくまでも個々人の内面の思考を顔の表情、動き、等演技の力のみで駆動するレベルの高い展開なのである。それは安易にヒューマンドラマに落とし込むことなく、天才たちの苦悩、邂逅、共鳴という常人では理解出来ない言語の交差をまざまざと見せつける力強い表現がスクリーンに繰広げられているのである。
ストーリーとしても、原作が大変ヒットしているからであろう、ユニークな構図が取られていて、ここからもこの作品の希有な内容が見て取れる。母親を亡くし幼少期に演奏が出来なくなった主人公、師匠のロボット的教えに苦悩する男、努力により市囲の自分を証明したい男、そんな登場人物達の苦悩を、まるで風の如く吹き飛ばしてくれる神童。この音楽の天使が動くことで、本来持っていた才能を目覚めさせてくれる事になった主人公の圧巻なクライマックスの演奏は、恥ずかしい事に、ドンドン自分の躯がリズムを取って動き、自然と音楽に浸りきってしまう事に驚く。凄まじいパワーが、自分の躯の核を揺さぶり、響かせる事により、難解なクラシック曲でさえ、ビートを刻んでしまうのである。この圧倒的な映画力と、スタッフロールでの、途中の欄に見落としてしまいそうに差し込まれている監督名の奥ゆかしさのギャップも又、大変興味を抱くのだ。
今作品の高次元のレベルを嫌と言うほど感じたところで、今後の邦画の行く末を安心して胸をなで下ろす自分がいる。制作陣、俳優陣の資質の高さに惚れ込む作品である。
全81件中、1~20件目を表示