蜜蜂と遠雷のレビュー・感想・評価
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音を楽しむ=音楽 なんだよね。
映画館で観たかった作品、時が経ち上映期間も終了してしまい観れず、レンタルになったのも知らずにいました💦ふとレンタル店で立ち止まった目の前にあった、この作品。
そういえばと思い、レンタルして早速鑑賞しました。
映画館で上映していた頃の観たい気持ちももう、ちょっと無くなっていたので、軽い気持ちで良い作品だと良いなくらいで観た数分後には、もうどっぷりと浸っていましたよ。
最初から楽しそうにピアノを弾く少年や、母親を失ってからピアノが弾けなくなってしまった主役、名門校在学中の秀才や家族に応援されて生活者の音楽を届けたいという思いで参加する父親。
その主に4人それぞれが、ピアノ素人の自分にとっても、計り知れない程の腕(指!)を持っているのだとは、この素人目でも充分理解出来る。
でも、途中までは、なんとなく普通のコンクールの様子と、主役達の過去や葛藤、練習風景を描いた作品ではあるのだけれど、、なんだろう、最終選別⁉︎の前の、オーケストラとの音合わせで指揮者として、鹿賀丈史が出てくる辺りから、ガラッと空気感が変わり、緊張感とこれから起こるであろうとんでもない風景が予想されるのですよね。
皆んなが天才的なピアノ演奏する事は言うまでもないのだけど、それぞれの過去や想いがピアノの鍵盤を打つ指にガッツリと降りてきてるんですよ!
音合わせの時に異常な空気感を漂わせていた、あの指揮者が自分の指揮するオーケストラとピアノが合っていると感じる瞬間のあの笑みは、観ているこっちをも気持ち良くさせてくれるのです。
何が良いかって、最終的に残った天才達は、相手を蹴落とそうとするのではなく、お互いが良い演奏が出来るように助け合っている様子も観ていて、なんか良かったなぁ。
劇中の終盤、母と娘でピアノを弾いている中で、音を聴きながら言葉で言い表し、鍵盤をたたくと、それが徐々に音楽に変わるシーン、母の優しさと音楽の優しさがシンクロする所はとっても良かった。
また、3人で寒空の海を走るシーン、遠雷を見ながら何を思ったのか、、雷の音も蜜蜂のはばたきも彼らにとっては譜面に描き落とせるものだし、生活の中や自然の中にある全ての音は、それぞれが重なると音楽になるのですね。
楽器や音は好き、だけど音楽に携わってこなかった自分にとってもこの映画や他の映画を観て音を楽しみ、ずっと音楽が好きでいたいな。
と思わせてくれる作品でした。
見終わったあと、月が出ていたら
ドビュッシー ベルカスク組曲 月の光
を聴きたい。
個人的にはオーシャンズ11の同曲も好きです笑笑
蜜蜂と遠雷、オススメです。
ピアニストの卵達の苦悩と喜び
選ばれし才能と環境に恵まれた若者3人と独学で演奏家を目指す30歳の青年を中心に、大きな音楽コンクールで生まれる様々な物語を素晴らしい演奏と共に味わえる音楽作品。
演技も音楽もとても良く、どんどん物語に引き込まれていき、山場のシーンでは主人公に「だめーっ」と手に汗を握って応援してしまった(笑)。
考察?は苦手ながらも
原作をここまで映像化したのは立派
ピアノが突き刺さる
一言「難しい世界じゃのお」。
原作のボリュームに手が出ず、ならば映像ならと思ってチョイス。
コンテストのトップに君臨するたまに必要なものって?。
難しいメロディーを引きこなす技か、それとも心打つ音色を奏でることか。
それぞれの弾き方の個性が、その中になった気がします。
でも正直、4人の人間模様を描くあまりに。
それぞれのキャラへの思い込みが、ちょっとできなかった。
説明がさらっとした感じで。
主人公・亜夜の、「弾けなくなった症候群」も。
松岡茉優さんが、クールビューティーすぎて(「ちはやふる」はそこがよかった)。
どうも悲しさ・辛さがいまいち伝わらなかったです。
これピアノ経験者の方だったら、評価はまだ上がりそう。
私ピアノは弾けないし、ゆったりした曲の方が好きなんだな。
若手4人を囲む俳優陣が、豪華でしたね。平田満さん・鹿賀丈史さん・斉藤由貴さん他ほか。
なので淡々としたストーリーに、メリハリがついた形になっては居ました。
原作を読んだ方の意見は、どうだったのかなあ。
予習不足、音楽に対する知見不足
原作未読、ピアノについても小学校低学年で親の期待を裏切ってしまった自分にとってこの作品に臨むにあたっての勉強不足を後悔しました。
原作で語られている(らしい?)4人それぞれの生い立ちや人となりを知ってから見た方が何倍も楽しめたのではないかと思います。
でもそんな状態でも4人の天才音楽家(ただ松坂桃李さんだけはこっちよりみたいで少し安心!)たちのそれぞれの苦悩と、世界最高峰のピアニストにより送り込まれた特に異彩を放つ超天才 風間塵との融合(って表現が適切じゃないかも?!)により新たなゾーンに入る
天才たちの成長物語として納得できる作品でした。
それぞれの若手俳優さんたちが奮闘している中、脇役の「スケバンまで張ったこの麻宮サキがなんの因果が落ちぶれて今じゃマッポの手先さ!」斉藤由貴さん、(小野寺の姉)片桐はいりさん、「アレ・キュイジーヌ!」鹿賀丈史さん、「銀ちゃんカッコいい」平田満さん、それぞれいい味出してました。
ヒロイン松岡茉優さんは『万引き家族』での体当たり演技も感動しましたが、演じる役どころが作品ごと全く違うのに本当にその役に入り込む演技には驚かされます。NHKなどTVドラマは観ていなかったので、エン転職の着ぐるみバカリズムさんと絡むバラエティ系のタレントさんだとばかり思ってました。(すみません、でもトヨタホームCMの吉田羊さんとの絡みは好きですよ)
表情で演じ切ることのできる類まれなる女優さんですね。『勝手にふるえてろ』も近日中に観ようと思っています。
レビュー
キレイな映画!
ピアノを習ってもいなかったし、クラシックにもあまり興味が無いので観ることは無いだろうなあと思っていた。松坂桃李を最近インパクトの強い出演作で観ることが多かったので、この映画は「私の観たい松坂桃李ではない」などと勝手に判断して観ていなかった。
撮り溜めた映画が少なくなってきた為、話題の映画だったし、観てみよっかな、てことで観たら、、、良かった。すごく良かった!優しい会話と(マサルの友達は少しキツかったが)音楽と、美しい映像。亜夜の幻想で雨がよく描かれていたけれど、とても綺麗に感じた。幼い頃の回想で亡くなったお母さんとの楽しそうな連弾も、月を眺めて塵と連弾するシーンも、とても穏やかな優しい気分にしてくれる。
私の観たい松坂桃李ではなかったけれど、こんなに普通の柔らかい人も演じられる松坂桃李、新たに加わった、「私の観たい松坂桃李」です。
コンクールの結果は最後に表示されるだけ、結果は重要ではない、それぞれが自分を乗り越える、この映画の表したいことですね。
原作も、私の好みのジャンルではないので読んでいない。でも読んでみたくなった。浜辺で5人の経緯もわかるのかな?映画では蜜蜂が塵の練習用の木のピアノに貼られていた絵でしか出てこないけど、読めば「蜜蜂と遠雷」の所以がわかるのかな?やはり読むべきですね!
よくぞ作り上げたものだ
ピアノコンクールに参加する4人にスポットライトを当て、予選から本選までを4人の人生をなぞりながら描いていく。
主人公(松岡茉優)は天才少女としてもてはやされたが、演奏会をすっぽかし、姿を消していた。
ピアノ演奏シーンなどの出来は素晴らしく、日本映画もここまでできるんだ、とうれしかった。
天才同士の激闘に足を踏み込む覚悟はあるか⁈
この作品が、文学から出ていることに驚嘆しました。
音で語る
原作を読んで、すぐに映画が見たくなり鑑賞。文字で表された音楽の世界がどう映像化されているのかとても気になってほぼ衝動的。
原作と比較して、、というのは無しにして単純にもっと彼ら天才が鳴らす音を聞きたかったな。
そして彼らのセリフや心情、描写を表す言葉の少なさに驚いた。これで一般の観客に伝わるのって、でも彼らはやはり演奏家。音で語る。逆に言葉を使わずに音楽であそこまで表現できるのは凄いと思った。
雨の音。海の音。風の音。大地の音。世界に溢れている音を鳴らして音楽として届ける、世界的故ピアニストが送り込んだそんな少年風間塵によって、自分たちの音を鳴らしていく彼らの演奏には鳥肌が立ちました!
とくに、栄田あやと風間塵がアトリエの隣の薄暗い部屋で月明かりだけに照らされて連弾しているシーンは個人的に印象的。ドビュッシーの月の光から始まりアレンジを加えて変わっていく彼らの連弾はまるでこのまま月まで登っていってしまうかのような連弾だった。
そしてら最後の栄田あやのコンチェルトは最高。かつての雨のギャロップから、草原をかけるギャロップになったかのような軽快さから、迫力のあるピッチとオケとの掛け合いがとんでもないなぁと。是非映画館で見たかった。ほんとはもっといろんな曲やって欲しかったなという欲。
世界は音楽に溢れている。それを鳴らすの。
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