蜜蜂と遠雷のレビュー・感想・評価
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俳優が世界を鳴らすのよ
要所要所で挟み込まれる黒い馬のイメージは幼い頃母を亡くした事とそんな時でも「天才少女」を要求する周囲への恐怖かな。
その恐怖から立ち直るために挑んだコンクールを通して、世界は蜜蜂の羽音から遠雷の轟音まで音に満ち溢れ、それを知ることで自分の音楽を取り戻していく話。
素直によいストーリーなんだけど、それ以上に俳優たちがとても良い。
他人と関わることに臆病になっている冒頭から演奏を通して悦びに溢れた笑顔まで振りはばの広い松岡茉優、やがて遠雷のように名前を響かせる事を感じさせる安定感のある森崎ウィン、そして蜜蜂のように軽やかな表情を見せる鈴鹿央士。
特に鈴鹿は「若いのに凄いな」と観ていたらエンドロールに「新人」とあって二度ビックリ。
音楽と原作を愚弄する最低のクズ映画
なんたることか、最終のコンテスト演奏中に審査員が雑談しているのです、大声で!
まして酷いのは、一人の演者に有利になるように、オーケストラの配置をドラフトするのです、指揮者が、なんという横暴と悪行!
四人の演者の内、若者二人と松岡は、傍若無人で、酷い行いばかりです。
普通にしてる松阪桃李が、素晴らしく見えるだけ、悲惨な、酷い人たちです、指揮者や審査員をはじめとして。
最低の内容に愕然としました。
あちら側の世界
音楽に限らず、古くから続く技術の世界には、それぞれ道を極めた人たちの、あちらの世界がある。凡庸な自分にはよくわからないが、こうした映画やドキュメンタリーで見るごとに、あちら側の世界を垣間見ることができる。
本作、若い天才たちと、それと競いながら見つめる少し年上の高島明石(松坂桃李)の構図があり、その点で本作のポイントと感じた。明石がつぶやく「天才たちの世界はわからない」とか、「あなた達天才を見てると、自分も音楽をやっていていいんだと思える」といったセリフが、単なる天才同士の極限の交流ではなく、あちら側の世界を日常に紐付けてくれた。ま、そういう明石も相応の天才なのだろうけど。
松坂桃李も、若手イケメン俳優から、こうした脇で物語を締める良い役者になって来まさしたね。主演の松岡茉優は、亡き母の関わる音楽へのトラウマを抱えた復活をかける天才役、森崎ウィンが、悩める野心家の若き天才を、新人の鈴木央士が天性の才能を持つ少年を演じ、それぞれ独特の役をとても自然に見せていた。特に、周囲の天才に影響を与える風間塵役の鈴木央士は、本当に楽しそうにしていて、見ていてホッとする。
本作のキラーワード「世界が鳴っている」について、多分彼ら天才とは感じ方は違うものの、だれでも共感できる経験はあると思う。そうした普遍性と、天才たちの世界をミックスさせた良作だと思います。
ピアニストのことがよくわからなくても
原作未読 たくさんの人がピアニストを目指すも、進むのはほんの一握り そんなセリフがありましたが、他の世界でもわかっていることなのに「一握りを目指す」 ピアニストでなくとも日々格闘している人には共感する領域なのでしょう この領域までくると他人を嫉むことよりも、自分との向き合い方こそが問われてくる 4人各々のおかれている場所と、向かおうとしている場所、描くことは大変だったでしょうが、キャスト・スタッフの皆さんの力量です 音楽やピアノがわからなくても、わかりたくなる作品でした (10月6日 イオンシネマ和歌山にて鑑賞)
心地よい音に包まれた濃密な時間
一切の無駄がない完成度。
特に大きな事件が起こるわけでも無く、意外な展開があるわけでもないのに、
心を揺さぶられます。
客電がついた時に、思わず拍手したくなる作品でした(実際に拍手している人がいました)
これは映画館で観た方が良い。
原作好きも納得!
原作も読んだ上で視聴。
映画にするにはそれなりに端折らなきゃいけないと思っていたけど、うまくまとめたんじゃないかなという印象。原作よりもさらにコンクールに焦点を当てた感じがする。さらっとしてた印象もあるが、きちんと話の核は押さえてた。
誰が予選を通って、誰が落ちたかは映画的な表現で語らせていたのでそういう演出は良かった。そしてピアノの演奏シーン。実際プロの演奏家から見てどう映ったんだろう。素人目にはすごかった。
最後に触れずにはいられないのは松岡茉優の演技。これ、彼女の代表作になるんじゃないかな。本選の演奏シーンの変わりようは必見。
「秀逸」
今年104本目。
10月4日の「らららクラシック」はゲストが松岡茉優、河村尚子で「春と修羅」を作曲した藤倉大もヨーロッパから電話出演と非常に豪華なメンバーでした。
栄伝亜夜のピアノ演奏の河村尚子は最後に、カデンツァも含めた「春と修羅」を生演奏。濃密な30分でした。
と言う訳でクラシックに造詣が無い自分でも、30分で作品に深く知れたので映画は楽しみに行きました。
秀逸でした。
妙にエロティックな世界観
良い意味で非常にエロティックな映画だった。
もちろん、
ダイレクトにそんなシーンは皆無であったが、
栄伝と塵の連弾シーンや、栄伝とマサルの、
本戦直前の練習シーンなど、まるで2人が純粋な
SEXをしているかのような妖艶さを感じ、
非常に気恥ずかしくなった。
そして最終的に到達する場所は、
この上ない自慰行為の世界。
(もちろんこれも良い意味である。)
栄伝の限りないエロさが満喫できる2時間。
ラストシーンの彼女の絶頂感は
永遠に語り継がれるべきだ。
世界が「鳴らせ」と、君に言っている。
何で俺、プロコフィエフのNo.2なんか選んじゃったんだろ。イヤ、もっと大変そうなNo.3選んだ人が目の前におるやんw
松岡茉優が普通に良かった。と言うか、これでも普通な感じなんだから不思議。期待値、高いんだ、この子に対しては。意識してなかったけど。
蜜蜂(世界の音を奏でる風間)と遠雷(亜夜の感じ取る世界)で「世界を鳴らす事」の意味に目覚めるピアニストの物語。丸っ切り、音楽映画。
冒頭が白々してて辛い。英語の演技がどうのこうの言ってる前に英語脚本が今ひとつなんじゃ。俺達が聞いても分かりやす過ぎるんだから、少し子供っぽいのではないかと。これ、外国人役者さんの演技には影響すると思う。
ピアノ演奏が始まってからは、意味なく涙が滲んでしまう場面だらけ。
松坂桃李のカデンツァ。最高。月明かりの中での連弾は、ドビュッシーからペーパームーン、ベートーベン、またドビュッシー。ペーパームーンはあざとかったw プロコフィエフはマジです、迫真です、興奮ものです。
「あなたが世界を鳴らすのよ」。世界が選んだのが自分、じゃない。私は、自ら望んで、世界の音をピアノで鳴らす道に進むのだ。いや、母の望みでもあるのが、この道だから。
この場面が「キター!」。予告で流れてるシーンなんですが、此処が鳥肌もの。
音楽が好きな事が前提だけど、良かった。期待以上で、かなり良かったです。
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(10/7追記)
ピアノ工房で。見上げる窓から降り注ぐ明かりは「月」からの贈り物。二人のピアノが素敵だった!
「ほら月の光だよぉ」って言う感じでシズシズと、ゆったりとしたタッチで鍵盤を静かに押し下げる風間。誰かと話ができる嬉しさを抑えながらも、小躍りしたくなるような明るい気分が抑えられず。でも照れるように短い単音から入り、徐々に声を大きくしていく亜夜。先に歩みを早めようとしたのは亜夜でタッチも前のめりになって。そこに見つけた夜店に入ってしまう、みたいな。再び月夜の元に戻り、静かに目を閉じる様に鍵盤から指を離す二人。
実際の演奏がどなただったのかは分りませんが、この場面が一番「映画」らしかった。大好きです!
世界から音楽が聞こえる・・☆
原作未読での鑑賞です。
原作を読んでいる方とは感想は異なることでしょうが、映画を見て
家に帰り、すぐにamazon musicでクラシックピアノのベストプレイリスト
を聞いてしまいました。
コンクールに出場する4人のアーティストの個々のエピソードが描かれます。
原作未読なので、わかりませんが本人たちのこれまでの生い立ち?などは
ほとんど描かれません。
コンクールの何日かが全てです。
・・ですので、そちらの物語を求めている方には不向きかのしれません。
ですが、そんなものをすっとばして ピアノとその楽器が奏でる音楽を
愛するなら、なんとも言えない感動が味わえるような気がします。
代理とはいえ、演奏シーンが素晴らしいです。
4人ともそれぞれ個性が表れて とても楽しめます。
決勝大会の演奏は圧巻で、泣いてしまいました。
松岡茉優と鈴鹿央士の月のシーンも良かった。
この映画の評価は、クラシックだけではなくピアノの音が好き・・と
いうことかもしれません。
見て良かった・☆
追記・
明石の演奏 宮沢賢治の
「あめゆじゅとてちてけんじゃ」
久しぶりに思い出し、懐かしく切ない音に泪しました。
これほど心に刺さる映画とは想像していなかった
映画の予告編を観て、ピアノの好きな私としては
是非観たい映画だな、とは思っていました。
先程鑑賞し終わって、まだ心が震えています。
ショパンのプレリュード 雨だれで始まります。
この曲が映画の後半に再び出てきますが、私は
そこで号泣してしまいました。両隣の席が空いていて
本当に良かった。そこから先はもうずっとウルウル
モードでした。
いや、この映画、泣ける映画では無いと思います。
でも涙が止まりませんでした。出てくる曲が
好きなもの多かったり、地元の幕張が出て来たり、
バッハの平均律とかちょっと弾けたりするので
思い入れが強く出たかもしれないけど、純粋に
音楽家達の、音楽にかける想いが伝わって来て
素晴らしく感動しました。
マサルのフルートと合わないシーン、本当にあって
なかった。このような技術も大したもんです。
芸術系の映画製作は、かなり難しいと思いますが
良く出来ていました。
これは文句なく(私的には)5点満点でした。
出来るだけ音響の良い劇場で鑑賞されると良いと
思います。
コンサートに来たと思えば安い
原作未読ですが、松岡茉優のファンなので行ってきました。ストーリーはわかりましたが、4人の主人公にそれぞれフォーカスを当てながら話が進むので、振り切った感動というのは少なかったです。演奏は抜群で、映画館で見てよかったと思いました。特に鹿賀丈史さんの演技が流石で特に印象に残りました。
原作を活かしきれていない
うーん。どうだかなぁ。
原作の世界観が、反映されていない気がするのは気のせいでしょうか?
なんだか、悩める若きピアニスト(亜夜の事)と言う事に重きを置くあまり、その他の描写がばらばらになってしまった気がします。明石の家の描写が必要以上にありますし、逆に、塵の描写が少なくね?
それと、確かに、ステージマネージャーの優しい目線は、この作品では重要なポイントにはなっていますが、映画では、不必要にステージマネージャーを描きすぎ。
本選の、オーケストラ指揮者の件があるのなら、もっと深堀しても良いと思うんだけど、意外なまでにあっさりと終わる。
本質とは、全然違いますが、驚いたのは福島リラ。劇中(原作)ではマサルと同世代と言う事になっていると思うのですが、彼女の実年齢を知ると・・・。いや、女性に年齢の話は禁句でしたね。でも、ビックリです。
作品全体としては、ツッコミどころをあげれば限が無いですが、かなり残念な出来だと思いました。原作は、良かったのになぁ・・・。
原作は良いらしいけれど。
登場人物たちの背景がほとんど描かれてないからどういう人生か全くわからない。いきなりピアノコンクールに臨んで皆四苦八苦、っていうのもねー。
名曲いろいろ聞けて良かったかも。話の作りはいまいちかなー。
ブラボーの拍手喝采!!!!
原作未読の私。栄伝亜夜を主役にした物語ながら、それぞれのキャラクターも最高に魅力的。知りたい、感じたい欲が滔々と溢れる。音楽が奏でられる想像を遥かに超えていく世界観で音が人たちが生き生きと。素晴らしい映像美、キャストの踏ん張りに、ブラボーの拍手をスタンディング…。そして、新人の鈴鹿、惹き込まれる恐ろしい新人。まん丸の目をキラキラさせて、なんなの?この魅力は!! 風間に抜擢した方に握手です。
これはぜひ、大きなスクリーン、映画館で(*゚▽゚)ノ
意欲作
小説のタイトルは知っていたけど、ピアニストの話だとは知らなかったのは自分だけだろうか。
という訳で原作は全く知らずに鑑賞。
コンテストでいきなり作曲要素とか将太の寿司レベルの無茶振り。
意外とエンタメ系だったか。
月を見てからの月の光、そして月光。こいつら天才なのにベタやな。
いやいかん。
多くの人に届けたいからこそ、皆が知っているものを入れているのだ。
役者陣もみんなキャラの立ったいい演技。松岡茉優素晴らしい。ラストも良い王道。
ポップさを忘れないサカナクションのような映画でした。
松岡さんが素晴らしい
恩田陸の名作の映画化という事で鑑賞前からあの長編物語かつクラシック音楽の奥深い描写を2時間で表現できるか不安に思いながら鑑賞しましたが、なかなか素晴らしい作品に仕上がっていました。特に栄伝亜夜役の松岡茉優さんはとても素晴らしかったです。新聞記者など最近の成長目覚ましい松坂桃李さん、脇を固める斉藤由貴、平田満、鹿賀丈史さんも良かった。ただブルゾンちえみは重要な役なので他の演技派の役者が演じた方が良かったし、2時間に収めなくていけない映画の中で片桐はいりさんの役も不要と感じました。
個人的には原作を読んだ時の感動には今一歩足りなかったですが、キャスト陣の演技や音楽面でもとても素晴らしい作品でした。
映画と関係無いですが、映画マナーの案内フィルムは本編上映直前に流して欲しいですね。マナーの悪い人はギリギリか始まってから入ってくるような人達ですから。
盗撮防止ムービーよりこちらの方が重要ですよ。
また最近、特に持ち込み食品を食べる人が多く、コンビニ袋やスナック菓子のシャカシャカ音させる人がホントに多くて、映画関係者の皆さまには、特にこれの防止啓蒙をお願いしたいです。
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