蜜蜂と遠雷のレビュー・感想・評価
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松坂桃李の「正しいサリエリ」が心に響く〜
原作未読なので映画のみの感想です。
クラシックには疎いので、今更ですが
当たり前だけど音楽がすごい!
クラシックを聴きなれない人にも
とても聴きやすい
リズミカルでダナミックな選曲になってるので
コンテストシーンの盛り上がりが素直に感動できます。
相変わらず松岡茉優が良くて〜〜
こう言う内面重視の映画で
しっかり表現できる女優さんは凄いな〜〜
セリフは少ないけど、ちょっとした表情や話し方で
彼女の精神状態が十分伝わって来て観ている方も緊張の連続!!
で、月に8回程映画館に通う中途半端な映画好きとしては
ピアノやピアニストの動きにも詳しく無いけど
主要の四人の演奏中の頭や体の動きが
素人目にはとても自然に見えました。
もちろん実際の音や指先のアップは
それなりの実力者がやってるんでしょうが
ピアノの指使いに合わせて体が動く様は
しっかりとピアノ練習をしないとできないですよね〜
ライムスター宇多丸の「アフターシックスジャンクション」の
映画評論の中で、ちゃんと専門家が観ても
演奏のシーンの評価は高い!との事なので、
プロが観ても納得なら素人でも自信もって感動を語れますね〜
そして松坂桃李が良い!!まるで、正しいサリエリ!
「アマデウス」のサリエリは
モーツアルトの才能を誰よりも解っていて
心の底では賛美しているのに
その社会的成功は嫉妬のあまり握りつぶしてしまう。
「蜜蜂と遠雷」の松坂桃李は
天才達の才能を解りすぎるが故に
天才たちの行く末を人一倍案じてしまう。
その潔い美しさが観ていて心地よい〜
音楽は勝ち負けじゃない!
そして新人の鈴鹿央士!
その役柄と本人が完全にシンクロしていて
フレッシュ!フレッシュ!フレッシュ!(笑)
斉藤由貴も良かった!
彼女なりの屈折を抱えながら、
やはり圧倒的な才能の出現を
求めずにはいられない審査員を
クールに演じてました。
@お勧めの鑑賞方法は?
オーケストラとの演奏シーンの迫力は映画館の音響で観ないと損だわ!!
執着と呪縛と好きの解放
コンクールとは不公平で残酷なものである。
どれだけ打ち込んで練習しようとも、審査員に評価されなければ意味がない。
どれだけ情熱を込め気持ちを昂らせて演奏しても、クールな正確さや緻密さがないと点数は上がらない。
かといって完璧なだけでも物足りない。
審査員の好みや何を評価するかも人によってバラバラだし、絶対的な数値で結果は出ないので本当に難しい。
と、学生の頃に団体でコンクールに出場していた身なので、痛いほどの実感がある。
本番直前のステージ裏の風景に見覚えがありすぎて、まるであの頃に戻ったかのようにドキドキした。
ピアノのような個人戦なら見られる点も格段に多いだろうし、プレッシャーも格段に大きいだろう。
母の死をきっかけに舞台から遠ざかっていた亜夜、米国で技術を磨き「完璧」を背負うマサル、妻子持ちで仕事と両立している明石、ピアノを愛しピアノに愛されている塵。
予選を重ねるごとにだんだん混ざり合い変化していく4人の様子と、彼らがたどり着く至高の演奏を描いた作品。
ストーリーやキャラ設定自体はわりとベタなものの、繊細で説得力のある演出と演技がスッと入ってきて、とても面白く観られた。
ほとんどピアノの前で進む物語。
明石以外のプライベートの生活にはほとんど触れず、ただひたすらに彼ら彼女らとピアノとの距離を徹底的に詰めた描き方が印象的。
ピアノに対面する人間というものが濃縮して伝わってくるし、明石が目指した「生活者の音楽」というものが際立って感じられる。
課題、練習、苦悩、本番、の順で繰り返されるたびに成長して何かを掴み取っていく姿に、一つ一つ涙してしまった。
最後の圧巻の演奏には号泣。
それぞれがたどり着いた答えの形があまりにもかっこよくて、惚れ惚れとしてしまった。
私からしたら全員超絶レベルの演奏。
しかし四人とも音の聴こえ方がちゃんと違っていて、各人の目指すものや感情がビンビン響いてくることに感動した。
ほとんど執着や呪縛とも思える「ピアノを弾きたい」「ピアノが好き」の気持ちが、これでもかというほど身体に伝わってくる。
あーちゃんとまーくんの再会の時が好き。
亜夜のちょっと子供っぽい話し方が好き。
月夜の連番で目を合わせる表情と、月光の当たり方が好き。
互いを認め合い影響し合い、仲の良い四人の関係性が好き。
子供に微笑みかける劇場入り口のスタッフのお兄さんが大好き。
飢餓感すら覚える潔い締め方も本当に好き。
ダラダラしない美しさ。
シンプルな結果発表からまた色々と読み解ける。
深読みと希望を重ねて余白を楽しめる最高のラストシーンだった。
ショートボブの髪の毛がちょっとした動きでサラサラと揺れうねる様子がとても好きで、そんなちょっとしたフェチ的なものを満たせる映画でもあった。
亜夜の綺麗なボブヘアーがピアノを弾く時に乱れに乱れる様子、もう本当に堪らない。存分に堪能させていただきました。
ロングや段付きのショートヘアよりも切り揃えられたボブヘアって、少しの振動や動きであちこちに揺れるんだよね。ハァーー好きだなーーー!
身を切るようなコンクールの緊張はもう勘弁かも…と思いつつ、あの頃の一生懸命さって今ではなかなか経験できないよな、と改めて思った。
あーあ、またティンパニ叩きたいしまたボンゴコンガ叩きたいしティンバレス叩きたいしサッシン叩きたいしまたバリサク吹きたいなーーー。
でもあれね、演奏聴いてる時にベラベラ私語する審査員って絶対嫌だね。
原作が読みたくなる作品
原作と映画が違いすぐる
小説読んでからの鑑賞
天才の苦悩
天才の苦悩
楽しかったピアノが
いつしか苦しみにすり替わっていく瞬間
何が原因で彼女が一線から姿を消したのか
母親の死やオーケストラのプレッシャー、
周囲の目など、映像から想像することはできても
詳細に本人の言葉や思考で語られることがないので
もう少し深く知りたいところではある
ただピアノが好きでたまらない
世界を鳴らす人を探す
そんな少年に出会って、元天才少女が
自分のブランクとその間に閉ざされてしまった
心の傷を癒していく
天才ピアニストたちの世界はわからないけど
過去の栄光をなんらかの形で乗り越え、
自分自身の芯を強くしていく、
過去に捉われずに
今を鮮やかに生きていく決意をする。
そんな経験に少しでも覚えのある人なら、
天才でなくとも
共感できる部分があるのではないかと
思います。
原作を読んでいないと理解が飛んで、謎の部分が多くなるのではないだろ...
松岡茉優が震えていた
消えていたピアノの天才少女が7年ぶりに戻って来てコンクールに出場するところから物語は始まります。
3人の天才と1人の努力家の対比。
大好きな母の死から弾けなくなってしまった天才少女の苦悩。
あの時……亜夜がドタキャンした時にも担当していた
このコンクール会場支配人の田久保寛役として平田満の言葉のない彼女への思い。
この世界は音楽で溢れている、この世界の音はあなたが鳴らす。亡き母の笑顔に天才は蘇るのか?
松岡茉優が震えていた。今までのあらゆる想いに。
松岡茉優のラストシーンが圧巻でしたね。
コンテストの順位に物言いを入れたかったりして。
でもあの結果でよかったんですよね。
求めよ、されば与えられん
良くも悪くも音楽映画
音が良かったです!
蜜蜂はどこに行った?
コンクールに臨む4人のピアニストの物語。
それぞれの背景をまるでドキュメンタリーを見ているような演出で描写
それぞれ異なる手法での演奏シーン
ほんとうに演奏シーンは圧巻でした。
クラッシック音楽になんの造詣もない自分でも
最後の亜夜の演奏シーンでは息するのも忘れるほどの迫力でした。
あの原作をとてもよく練り上げられた脚本と編集で2時間という枠の中に上手に収めたのは
素直にすごいなと。
でもなんです。
原作を知っている一観客としてはちょっと置き去りにされてしまったような
この物語の主演のひとりはあくまで「蜂蜜王子」でもあり
すべての既成概念を壊す象徴として塵が描かれていたと思うのです。
原作者の恩田さんが描いたものは亜夜の覚醒復活物語だけではなく、ホフマンが残した「ギフト」も大切な主役なんだと思うのです。
この脚本だと蜜蜂も遠雷もみえてこない
水平線の向こうに見える雷雲も安直な描写だなと感じてしまう
雨の馬の描写だけでは、残念ながら亜夜が幼少の頃に聴いていたギャロップが聞こえてこない
無数に飛ぶ蜜蜂を音符に例えて、その蜜蜂から聞こえる羽音が音楽を奏でる
世界は無数の音楽に溢れているという情感が沸いてこなかったのが寂しいのです。
個人的に映像として見たかったものは
復活の亜夜に「お帰りなさい」と声をかける田久保寛であり
亜夜の演奏に胸がいっぱいになる奏が存在する物語でした。
あの原作がこうなるのね!
昨年原作を読んでから、映画を観るのを、楽しみにしていました。映画化は無理といわれてましたが、どんな感じになってるのか、検証しに行ってきました。
まず、登場人物はグッと絞られてます。魅力的なコンテスタント達がカットされていて、残念でした。
審査員達のいろいろあった過去も全然触れられてなかったです。
ただ、各主人公にとっての大丈夫なシーンは、映像が美しく、印象的に残ります。
特に、ピアノ工房で、亜夜と風間塵が連弾するシーンは、月光に照らされて、とっても良いシーンでした。これは、映像化大成功です。
雨音、蜜蜂の羽音、遠雷 の音も、映像化されて、それぞれの主人公に大事な音である事が、わかりやすく伝えてあったように思います。
4人のピアノ演奏シーンは、音は吹き替えでしたが、表情、動きは、皆さん素晴らしかったです。
原作を読んでましたが、がっかりする事なく、
楽しめました。
是非、観ることをお勧めします。
ただ一つ、亜夜の心象映像として、きれいな黒馬が登場するのが、どうしてもわかりませんでした。
どなたか、解説をお願いします。
ピアノ演奏を聴くのが大好きな人向けの映画
小説を読んでから観るといい
浜松のコンクール等も見ているピアノ好きです。もちろん小説も読みました。
映像化されると聞いてから楽しみにしつつ、映像に表すのは難しいだろうなぁとあまり期待せずにフラットな状態で観てみたけれど、大きく期待外れはなく、映像美と高い音楽性で始めから終わりまで浸る事が出来ました。
キャスティングも風間塵役に新人の鈴鹿君を選んだのもピッタリだったし、中でも高島明石役の松阪桃李がとても良かった。表向きは静かだけど心は熱い役を、とても上手く演じていて凡人側の気持ちを代弁してくれていて大いに共感しました。
4人のコンテスタントの気持ちを描写するのはあの時間の中では難しいので読まずに見てしまうと??な所は致し方ないのではと思います。その辺を知りたい方はぜひ小説を読んでください。そして、また映画を観るとなるほど~と思えると思います。
音楽を聴いているだけでも幸せな気持ちになるのでまた観たいと思いました。
クラシックに興味のない方は、ちょっと退屈かもしれませんね。
これを機にクラシック音楽に興味を持ってくれると嬉しいですが。
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