劇場公開日 2019年10月4日

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「ピアノコンクールに参加した4人の若いピアニストが、互いに刺激を受け...」蜜蜂と遠雷 つくくんさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5ピアノコンクールに参加した4人の若いピアニストが、互いに刺激を受け...

2024年8月14日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

幸せ

ピアノコンクールに参加した4人の若いピアニストが、互いに刺激を受けながら、
トラウマを抱える主人公が音楽の素晴らしさを再認識して乗り越えるまでが描かれる。
競争の舞台なのに勝者と敗者みたいな描かれ方がなく、誰も悲しまない、誰も取り残さない、今流行りのSDGsライクな映画でした。いい意味で。

蜜蜂と遠雷という一見何の関連もない単語が連なるタイトル。これは何らかの対比を意味するのだろうか。劇中でも、物事を厄災と捉えるかギフトと捉えるかは我々次第、というメッセージが語られている。
主人公の回想シーンでは母親との楽しい連弾シーンが描かれ、深層シーンでは雨と黒馬のシーンが描かれている。これも暗喩的な対比かもしれない。
対比と言えば、劇中ではコンクールに参加する天才と凡人の対比も描かれる。一見、凡人が天才に圧倒されているだけに見えるが、実は凡人が天才に影響を与えているシーンも描かれているのが面白くもあり救いでもある。

原作読んでないので考察は当てずっぽですが、ストーリー云々抜きにして、クラシックの素晴らしさを堪能できる映画だと思います。映画館で観たらもっと感動していただろうな。

ちなみに昔ピアノを習っていて挫折した経験がある身としては、役者さんの当て振りシーンがやたらと気になりました。演技だとしてもここまで運指を再現するのはすごいよなと素直に思いました。声優さんやモノマネ芸人さんは歌も上手い気がしますが、役者さんも普通の人よりピアノとか上達早いのかもしれない。

つくくん