劇場公開日 2019年10月4日

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「音を楽しむ=音楽 なんだよね。」蜜蜂と遠雷 カナメストさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0音を楽しむ=音楽 なんだよね。

2021年2月11日
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映画館で観たかった作品、時が経ち上映期間も終了してしまい観れず、レンタルになったのも知らずにいました💦ふとレンタル店で立ち止まった目の前にあった、この作品。
そういえばと思い、レンタルして早速鑑賞しました。
映画館で上映していた頃の観たい気持ちももう、ちょっと無くなっていたので、軽い気持ちで良い作品だと良いなくらいで観た数分後には、もうどっぷりと浸っていましたよ。
最初から楽しそうにピアノを弾く少年や、母親を失ってからピアノが弾けなくなってしまった主役、名門校在学中の秀才や家族に応援されて生活者の音楽を届けたいという思いで参加する父親。
その主に4人それぞれが、ピアノ素人の自分にとっても、計り知れない程の腕(指!)を持っているのだとは、この素人目でも充分理解出来る。
でも、途中までは、なんとなく普通のコンクールの様子と、主役達の過去や葛藤、練習風景を描いた作品ではあるのだけれど、、なんだろう、最終選別⁉︎の前の、オーケストラとの音合わせで指揮者として、鹿賀丈史が出てくる辺りから、ガラッと空気感が変わり、緊張感とこれから起こるであろうとんでもない風景が予想されるのですよね。
皆んなが天才的なピアノ演奏する事は言うまでもないのだけど、それぞれの過去や想いがピアノの鍵盤を打つ指にガッツリと降りてきてるんですよ!
音合わせの時に異常な空気感を漂わせていた、あの指揮者が自分の指揮するオーケストラとピアノが合っていると感じる瞬間のあの笑みは、観ているこっちをも気持ち良くさせてくれるのです。

何が良いかって、最終的に残った天才達は、相手を蹴落とそうとするのではなく、お互いが良い演奏が出来るように助け合っている様子も観ていて、なんか良かったなぁ。

劇中の終盤、母と娘でピアノを弾いている中で、音を聴きながら言葉で言い表し、鍵盤をたたくと、それが徐々に音楽に変わるシーン、母の優しさと音楽の優しさがシンクロする所はとっても良かった。

また、3人で寒空の海を走るシーン、遠雷を見ながら何を思ったのか、、雷の音も蜜蜂のはばたきも彼らにとっては譜面に描き落とせるものだし、生活の中や自然の中にある全ての音は、それぞれが重なると音楽になるのですね。

楽器や音は好き、だけど音楽に携わってこなかった自分にとってもこの映画や他の映画を観て音を楽しみ、ずっと音楽が好きでいたいな。
と思わせてくれる作品でした。

見終わったあと、月が出ていたら
ドビュッシー ベルカスク組曲 月の光
を聴きたい。

個人的にはオーシャンズ11の同曲も好きです笑笑

蜜蜂と遠雷、オススメです。

カナメスト
カナメストさんのコメント
2021年2月13日

CBさん、コメントありがとうございます。
もちろん演者達があのレベルの演奏をしてるわけではないとは分かりつつも、引き込まれると松坂桃李もピアノ上手だよなぁ。
なんて思わせてくれますよね。笑

カナメスト
CBさんのコメント
2021年2月12日

> 皆んなが天才的なピアノ演奏する事は言うまでもないのだけど

やはり、全演奏を有名ピアニスト達が演奏しているという点が、いい方向に出てますよね。こういう吹替なら、どんどんやってほしい‼︎‼︎

CB