劇場公開日 2019年10月4日

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「予習不足、音楽に対する知見不足」蜜蜂と遠雷 marimariパパさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5予習不足、音楽に対する知見不足

2020年8月12日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

知的

難しい

原作未読、ピアノについても小学校低学年で親の期待を裏切ってしまった自分にとってこの作品に臨むにあたっての勉強不足を後悔しました。
原作で語られている(らしい?)4人それぞれの生い立ちや人となりを知ってから見た方が何倍も楽しめたのではないかと思います。
でもそんな状態でも4人の天才音楽家(ただ松坂桃李さんだけはこっちよりみたいで少し安心!)たちのそれぞれの苦悩と、世界最高峰のピアニストにより送り込まれた特に異彩を放つ超天才 風間塵との融合(って表現が適切じゃないかも?!)により新たなゾーンに入る
天才たちの成長物語として納得できる作品でした。

それぞれの若手俳優さんたちが奮闘している中、脇役の「スケバンまで張ったこの麻宮サキがなんの因果が落ちぶれて今じゃマッポの手先さ!」斉藤由貴さん、(小野寺の姉)片桐はいりさん、「アレ・キュイジーヌ!」鹿賀丈史さん、「銀ちゃんカッコいい」平田満さん、それぞれいい味出してました。
ヒロイン松岡茉優さんは『万引き家族』での体当たり演技も感動しましたが、演じる役どころが作品ごと全く違うのに本当にその役に入り込む演技には驚かされます。NHKなどTVドラマは観ていなかったので、エン転職の着ぐるみバカリズムさんと絡むバラエティ系のタレントさんだとばかり思ってました。(すみません、でもトヨタホームCMの吉田羊さんとの絡みは好きですよ)
表情で演じ切ることのできる類まれなる女優さんですね。『勝手にふるえてろ』も近日中に観ようと思っています。

marimariパパ
CBさんのコメント
2020年8月20日

四人(原作では六人だったかな)の音楽は、ホフマン先生が言うところの "ピアノ音楽家達の現在と目指す姿" を、読者が感じられるようにするための具体例で、コンクールの結果は、関係者(特に審査員)が、先生の狙いは理解したのだが変化は緩やかだ、ということを示していたのかと、私は思いました。映画は、こっちの主題については、ばっさり省略していますよね。長くて、失礼しました。

CB
CBさんのコメント
2020年8月20日

marimariパパ さんのコメントは、"映画を観るぞ" って意欲が滲み出ていて気持ちがいいです。

本作の原作の主題は、「"塵" という劇薬によって、伝統化、固定化しているピアノ音楽界に風穴を開けようとする塵の先生の取り組みと、その刺激を受けて少しずつ変わり始めるコンクールの関係者たち」でしょうか。

CB