「俳優が世界を鳴らすのよ」蜜蜂と遠雷 DKawaさんの映画レビュー(感想・評価)
俳優が世界を鳴らすのよ
要所要所で挟み込まれる黒い馬のイメージは幼い頃母を亡くした事とそんな時でも「天才少女」を要求する周囲への恐怖かな。
その恐怖から立ち直るために挑んだコンクールを通して、世界は蜜蜂の羽音から遠雷の轟音まで音に満ち溢れ、それを知ることで自分の音楽を取り戻していく話。
素直によいストーリーなんだけど、それ以上に俳優たちがとても良い。
他人と関わることに臆病になっている冒頭から演奏を通して悦びに溢れた笑顔まで振りはばの広い松岡茉優、やがて遠雷のように名前を響かせる事を感じさせる安定感のある森崎ウィン、そして蜜蜂のように軽やかな表情を見せる鈴鹿央士。
特に鈴鹿は「若いのに凄いな」と観ていたらエンドロールに「新人」とあって二度ビックリ。
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