「世界が「鳴らせ」と、君に言っている。」蜜蜂と遠雷 bloodtrailさんの映画レビュー(感想・評価)
世界が「鳴らせ」と、君に言っている。
何で俺、プロコフィエフのNo.2なんか選んじゃったんだろ。イヤ、もっと大変そうなNo.3選んだ人が目の前におるやんw
松岡茉優が普通に良かった。と言うか、これでも普通な感じなんだから不思議。期待値、高いんだ、この子に対しては。意識してなかったけど。
蜜蜂(世界の音を奏でる風間)と遠雷(亜夜の感じ取る世界)で「世界を鳴らす事」の意味に目覚めるピアニストの物語。丸っ切り、音楽映画。
冒頭が白々してて辛い。英語の演技がどうのこうの言ってる前に英語脚本が今ひとつなんじゃ。俺達が聞いても分かりやす過ぎるんだから、少し子供っぽいのではないかと。これ、外国人役者さんの演技には影響すると思う。
ピアノ演奏が始まってからは、意味なく涙が滲んでしまう場面だらけ。
松坂桃李のカデンツァ。最高。月明かりの中での連弾は、ドビュッシーからペーパームーン、ベートーベン、またドビュッシー。ペーパームーンはあざとかったw プロコフィエフはマジです、迫真です、興奮ものです。
「あなたが世界を鳴らすのよ」。世界が選んだのが自分、じゃない。私は、自ら望んで、世界の音をピアノで鳴らす道に進むのだ。いや、母の望みでもあるのが、この道だから。
この場面が「キター!」。予告で流れてるシーンなんですが、此処が鳥肌もの。
音楽が好きな事が前提だけど、良かった。期待以上で、かなり良かったです。
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(10/7追記)
ピアノ工房で。見上げる窓から降り注ぐ明かりは「月」からの贈り物。二人のピアノが素敵だった!
「ほら月の光だよぉ」って言う感じでシズシズと、ゆったりとしたタッチで鍵盤を静かに押し下げる風間。誰かと話ができる嬉しさを抑えながらも、小躍りしたくなるような明るい気分が抑えられず。でも照れるように短い単音から入り、徐々に声を大きくしていく亜夜。先に歩みを早めようとしたのは亜夜でタッチも前のめりになって。そこに見つけた夜店に入ってしまう、みたいな。再び月夜の元に戻り、静かに目を閉じる様に鍵盤から指を離す二人。
実際の演奏がどなただったのかは分りませんが、この場面が一番「映画」らしかった。大好きです!
おお!TSUTAYAのネットでありましたか。僕はTSUTAYAのレンタルでDVDを借りました
「ピアノ・マニア」はホントにマニアのオタク向けの映画なので、つまらなかったらごめんなさい。先に謝っておきますね(笑)
同じ調律師ものなら「羊と鋼の森」のほうが物語的には楽しめるかもです。
ではでは♪
僕もちゃんと楽しめたんですよ!
結構、著名なピアニストが裏で弾いてるみたいなので、もっと聴ければなと。でも、後で、サントラ確認したら、ダウンロードのやつですけど、英伝、塵、マサルそれぞれのがあって、総合版にはグレン・グールドまで入ってて、こっちで儲けようとしてるなって疑ってしまいました。まあ、クラッシックファンが増えると良いですよね。僕は、幼なじみがオペラ歌手で、日本オペラ協会主催のオペラで主役もやって、そこそこなんですけど、日本じゃ食っていけないから、音楽講師とか銀座のライオンで歌ったりしてるんですよ。だなら、クラッシックファン増えれば良いなと。
bloodさんへ、
連弾素敵でしたぁ~塵くんとの連弾もいいけど、お母さんとの連弾が優しくて良かったです。
プロコフィエフなんて「ピーターと狼」しか知らないので、ピアノ協奏曲が新鮮に思えましたヨ!
この映画の前に『契約解除してもいいですか』を観たもんで、ピアノが上から落ちてきそうでハラハラしてましたw