劇場公開日 2019年10月4日

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「風間塵がギフトである理由」蜜蜂と遠雷 琥珀さんの映画レビュー(感想・評価)

3.0風間塵がギフトである理由

2019年10月4日
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鑑賞方法:映画館
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グレシャムの法則
きりんさんのコメント
2020年9月23日

風間塵は「ミツバチは刺したら死ぬという生態」のキャラクター設定だと感じました。

ミツバチは可愛いだけではなく毒と死を共有しています。風間が指から血を出しながら鍵盤を叩いていた時、そこにふとミツバチが飛んだのでそう思ったのです。
僕はかつてオルガン(パイプオルガン)弾きで、鍵盤を血で汚したことがあるので、音楽に命を削る風間には言葉抜きでの共感をしています。

(グレシャムさんとCB さんに同文コメント2回目送信=1回目が消えてしまっているので)。

きりん
やきすこぶさんのコメント
2020年4月10日

私はこの原作を読んでないので、参考になります。
原作を読んでいる方のレビューを読むと、原作はもっと才能そのものが共鳴しあう感じなんですかね。
映画はもう少し人間的な部分が強く出ていたのかな。
なんか、よく分からないコメントですみません。

やきすこぶ
ハリソンさんのコメント
2019年10月13日

レディマエストロ、そのうちみてみますね。

ハリソン
グレシャムの法則さんのコメント
2019年10月13日

白鳥の歌さん
ありがとうございます。
春と修羅の作曲者もそうですが、何かの作用を及ぼさない人は登場しないのですね。きっと。

グレシャムの法則
Pegasusさんのコメント
2019年10月13日

個人的には指揮者の小野寺もギフトの1つなのでは?と思いました。

Pegasus
グレシャムの法則さんのコメント
2019年10月10日

今日、本屋さんに行ったら、スピンオフ短編集が出てました。
タイトル『祝祭と予感』幻冬社刊、1200円+税。
巨匠ホフマンと風間塵の出会い、「春と修羅」誕生秘話など全6編。コンクール
後の塵と亜夜とマサルも出てきます。
原作好きにファンの多い奏さんも登場します。原作を飛ばしてこちらから読んでも映画世界をより豊かにしてくれますし、原作よりはるかに短時間で読めるのが何よりかもしれません(^.^)

グレシャムの法則
グレシャムの法則さんのコメント
2019年10月9日

かすやさん、ありがとうございます。
かすやさんのレビュー欄でコメントできなかったので、こちらで失礼します。
個人的には、役者さん達のイメージが残ったまま読んでもマイナスには働かないし、物語世界の広がりが更に増す効果があると思います。寧ろ羨ましいかも、です。舞台裏にいた調律師さんなんかもとてもいい味出してますよ。

グレシャムの法則
かすやさんのコメント
2019年10月9日

レビュー見させて頂きました。原作未読です。何か端折ってるんだろうな、言いたいことが半分くらいしか理解し合え出来てなかったと。原作読んでまた観たくなりました。

かすや
CBさんのコメント
2019年10月8日

映画のレビューでやりとりできるって、最高です!

CB
グレシャムの法則さんのコメント
2019年10月8日

CBさん、ありがとうございます。
ひとりでも多くの方が、映画とはまた違った豊穣なイメージを膨らませながら、原作にあたり、至福の読書体験を積んでいただけると嬉しいな、と思います。

グレシャムの法則
CBさんのコメント
2019年10月8日

自分が言葉足らずなのですが、私も、音楽的な主題は、ホフマン先生が、塵という劇薬をこのコンテストに出場させることによって、皆が、審査員やコンテスタントや我々観客(読者)が、「過去からの名曲を完璧に演奏することだけがピアノの、音楽の真髄なのか」というテーマを考え始める、ということなのだと思います。そこは、琥珀さんの言う通りかと。

ただ、そのことは、私で言えば、
原作を読み終える終盤頃から湧いてくる考えというか気づかされることでした。それでこの映画は、よりわかりやすい、亜夜の再生と明石の悟りをあえて中心におき、本来のテーマを最小限に抑え込んだのではないでしょうか?
読んだ人にはそのテーマが理解でき、読んでない人にはかすかに伝わる程度まで抑え込んでいますよね。
それだけに、映画を観て、原作にあたる人は、そこでまた映画とは別の感動を得られるわけで、ちょっと羨ましいですね。

いずれにしろ、本来のテーマを改めて気づかせてくれた琥珀さんのレビューに再度感謝します。

CB
CBさんのコメント
2019年10月8日

たしかに、ホフマン先生と塵と、多分、塵の父親から伝わる、原作が伝えようとする重要なメッセージの方は、今回大胆に省略されましたね。2時間という枠の中にどこに焦点を当てるのかは、本当に難しいことなんですね。琥珀さんのレビューのおかげで、気づくことができました。
今回の作品は、あえて栄伝亜夜の再生と、高島明石の生活とピアノの両立とは、の部分に焦点を絞って成功していると思うのですが、この映画のおかげで音楽やピアノへの感度が上がっている音楽素人の私が、続けてまったく同じ同じストーリーでホフマン先生と塵に焦点を当てた映画を観ることができたら、さらに音楽への理解が深まって、幸せこの上ないでしょう。
(それってすごい、と夢見てうっとり…)

CB
グレシャムの法則さんのコメント
2019年10月6日

映画と原作は別物、ということは承知の上ですが、この映画を一層深く理解するのに役立つかもしれないので、原作の一部を紹介します。
(映画を思い浮かべながら読むことで、更にイメージが豊穣になってより充実した読書体験ができると思います。)
一次予選で風間塵の演奏を聴いた時の反応。
ナサニエル『なんだ、この音は。どうやって出しているんだ?まるで、雨のしずくがおのれの重みに耐えかねて一粒一粒垂れているやようなーー』
高島明石『なんて無垢な、それでいて神々しい、天上の音楽のような平均律クラヴィーアだろう。』
マサル『訥々と、それでいてなんとも言えぬ歓びに溢れた音。誰の演奏にも似ていない。素朴なのに、一種煽情的ですらあるーー譜面を感じない。(中略)体験。これはまさに体験だ。彼の音楽は「体験」なのだ。』
亜夜『風間塵。彼はとても楽しそうだった。かつてのあたしのように。(中略)泣きたいような衝撃が込み上げてきた。どくどくとこめかみが熱く波打つのを感じる。弾きたい。風間塵のように。弾きたい。かつてのあたしのように。かつてのあの歓びを、もう一度弾きたい。』

月夜の晩、亜夜と連弾した時の風間塵の独り言のようなセリフ。
『僕ね、先生に言われたんだ。一緒に音を外に連れ出してくれる人を探しなさいって』
『おねえさんはそうかもしれない、って思ったよ』

グレシャムの法則