「高杉真宙ファン"だけ"専用。」笑顔の向こうに Naguyさんの映画レビュー(感想・評価)
高杉真宙ファン"だけ"専用。
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高杉真宙が頑張っているので、ファンがチェックする分には意味のある作品。
新人の歯科衛生士としてデンタルクリニックで働き始めた真夏(安田聖愛)が出会ったのは、歯科技工士として医師たちから高い信頼を得ていた、幼なじみの大地(高杉)だった。歯科業界を舞台にした青春映画である。
作っているスタッフや俳優に責任はない。そつのない平均的なドラマと言えば、褒めすぎかもしれない。
制作・日本歯科医師会によるリクルート映画、ないしは自画自賛のマスターベーション作品。"8020運動"(80歳になっても20本以上自分の歯を保とうをスローガンにした運動)の30周年を記念して行われた事業の一環が、この映画である。
こういった社会団体が作ると、偉い人たちの顔色をうかがいながら企画を進めなければならないし、業界スポンサーの意見もどしどし反映される。監督はたいへん。
結果、尖ったテーマ性や芸術性は失われ、もちろん娯楽性さえも丸め込まれてしまう。当たり障りのない典型的なバランス作品になる。
もちろん、"全国で上映させたい"から、自費出版よろしく、無理やり所属会員にチケットを購入させる。選挙活動やどこかの宗教団体映画と同じやり口になるのがオチ。
全世代的に知名度があるゲスト俳優を脇役に固めるのもお約束。歯科医師役のキム兄(木村祐一)や、中山秀征、藤田朋子、阿部祐二・桃子親子、佐藤藍子、秋吉久美子、熊切あさ美、大平サブロー、丹古母鬼馬二など、妙に豪華なキャスティング。これらも歯医者さん繋がりか?
悪い映画ではない。特段、面白くもない映画というだけ。
(2019/2/16/ユナイテッドシネマ アクアシティお台場/シネスコ)
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