「ワンピースで育った今の大人に。」劇場版 ONE PIECE STAMPEDE 白雪さんの映画レビュー(感想・評価)
ワンピースで育った今の大人に。
物凄く評価が高かったことや、
予告で今までのキャラが勢揃いすることで
絶対胸熱展開来るなと期待値高めで見た作品。
ワンピース原作は最推しであったエースが死んだ直後に
精神を病みしばらく休養しつつ、
アニメを時間が合えば追っている程度で
もうガチ勢とは呼べないレベルのオタクである。
それにしてもわたしの最推しは死にがちだと気づく。
1番良かった点はワンピースをアニメ然り漫画然り
見てきた人はにわかであろうと
「あ!あのキャラ知ってる!懐かしい!」と感じるキャラクターが出てくる所だ。
もちろんワンピースを深く知っていれば知っている程、そのキャラクターを見つけやすいことはあるだろうけれど、
かじっただけの人も必ず見つかるはずだ。
それがワンピースという王道少年漫画の易しい所だ。
誰もが楽しめる映画というのは作るのは容易でないだろう。
かじっただけの人に分かりやすく作れば、ガチのファンは薄っぺらく感じてしまいがちだ。
このワンピーススタンピードは、終始夢中になれる映画だった。
私が映画を見ている上でずっと集中して、「映画を見ている事さえも忘れて入り込める」作品はそう多くはない。
特にアニメ映画は没入感が得られにくく感じる。
それをスタンピードは物語が進むにつれて熱くなれる、頑張れ!と応援してしまう、次はどうなるんだ!?とハラハラできる。
それこそ映画館で観たい映画だった。
大人が掌を無意識に固く握り、汗をかいてしまう映画だ。
ワンピース大好きであった父とかつて小学生の頃に見ていた時に出て来たクロコダイルには完全に懐かしさと共に推しにしてしまいそうな気持ちが湧き上がってきた。
名前を出せばキリがないが、サボが出てきた時には鳥肌が立った。(想定内ではあったが。)
その後にエースが映った時は、周りの人がザワつく程泣いた。
エースが死んだと思っていた私には涙が出て仕方なかった。
エースは確かに亡くなったが、受け継がれてまだそこに居たのだと再確認できた。
またワンピースが読みたくなった。確かに今、エースが亡くなって以来久しぶりに原作を読んでいる。
ワンピースを通って大人になった私たちを、また心を少年にさせてくれる。
大人になって忘れていたワクワクを、ハラハラを、思い出させてくれる。
ワンピースという唯一無二の漫画は、確かにそうであったと思えた。