「寛大」プロメア Kjさんの映画レビュー(感想・評価)
寛大
30年前の事象をコンパクトに纏めた導入部、SF感が高く引き込まれる。テロリスト集団から被差別民へとバーニッシュの描き方の視点が180度変わるのも良い。バーニッシュの焼いたピザを捨てる一般人、現代を映し出す。
不条理を一身に引き受けるリオの魅力が際立つ。怒れる龍となった時の異形が絵画的で映える。一般人代表のガロに施政者のクレイという構図は明快で、話の着地も説得力がある。姉妹のキャラはもう少し描いて欲しかったかな。
冒頭、不条理に対するストレスや怒りがバーニッシュを生んだが、それに呼応するのがラストの緑の炎かな。話の中で寛容さが幾度となく触れられていたが、ここはよくわからぬところ。
二次元的な絵は同じくお江戸の浮世絵などを想起させたが、何を描いているのか読解困難なところも多く観るのに苦慮した。背景の街や建物の絵は貧相で、特に隊員を射出するブームが伸びる様は幾度と出てきたが安っぽく、ノイズですらあった。音楽の使い方も疑問な点が多かった。
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