「「ガロです!」「リオです!」「ガロリオです!」」プロメア kossyさんの映画レビュー(感想・評価)
「ガロです!」「リオです!」「ガロリオです!」
スルーのつもりでいたのに、前日譚2本がオマケについてくる再上映という、お得なセットを見逃すものかと意気込んでの鑑賞。もちろん、このサイトでも非常に評価が高かったことも惹かれる理由です。どうせ画期的な映像表現のインパクトだけだろうと高をくくっていたのですが、観客の年齢層も高めだったし、前のめりになるくらい凝視。そして打ちのめされました・・・。
まずは色彩が原色やパステルカラーで、特に炎の表現が淡いピンク色というユニークなもの。さらに丸みを排除して角ばった炎と目が回りそうになるような3DCGに驚かされ、こりゃ斬新映像の『スパイダーバース』よりもインパクト強いわ、と頭がクラクラしてきました。
キャラクターなんてのも松山ケンイチが担当するガロの歌舞伎めいた口調の火消しバカが爽快で、バーニングレスキューの中でも浮いてしまってるのが笑えるところ。一方の炎上テロリストとされていたマッドバーニッシュのリーダーであるリオが仲間を救う信念、「人をむやみに殺さない」といった燃える心を抑え気味にしたところが対照的だ。
壮大なスケールの地球の危機。マグマがパラレル世界からバーニッシュへ・・・とか、鼻提灯膨らませて寝てしまいたいくらい難解な設定。4光年離れた星へと移民計画を立てていたとか、バーニッシュを使った人体実験とか、権力者の闇の世界をも描いている。強制収容所に入れられるなど、ナチスをも彷彿させる設定には恐れ入った。
もう終盤になるとそれぞれのメカによる必殺技が発声とともにテロップに出るもんだから、その都度笑ってしまえるのです。終盤に笑いを持ってくるという構成も珍しいけど、あまりしつこくやるとカルト映画の部類になってしまいそうです(笑)。エンディングもSuperflyの曲で盛り上がれるし、決して子供向けじゃない、大人こそが盛り上がれるアニメだった気がします。