「天元突破」プロメア いぱねまさんの映画レビュー(感想・評価)
天元突破
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まさに“グレンラガン”を今のCGアニメに落とし込んだ唯一無二といっていいハイスピード大袈裟アクション作品である。そしてそれを可能としたCGスタッフ、アニメスタッフをエンドロールの順番に於いて、いの一番に掲げたことからも分るように、その努力の賜物が今作品に注がれている出来である。勿論、好き嫌いがハッキリするアニメであり、この手のマチズモ思想や、歌舞伎的要素やアメコミ要素、溢れんばかりの暑苦しさのバージョン違いの作画や、蛍光色をふんだんに取り入れたレトロフューチャー要素、マトリックス的360度被写体回転撮影など、考えられるジャパニメーションというやつを全てぶち込んで、ミキサーで高速回転させたような作品に辟易する人もいると思う。情緒などお構いなしにフルスロットルで表現すると言うことを体現してしまうと観客は唖然呆然だ。かなり難しい並行世界の話とかSF要素を入れても、メタ演出で主人公に鼻ちょうちんをつけさせて寝かせてしまうというオチでギャグ要素も取り込んでいるところもわざとらしさが透けて見えてしまう。
しかし、今作品はそれでも今の日本のアニメが出来うる表現方法としての一つの“お手本”なのではないかと思う。沢山の要素を詰めてシェイクして出来た今作品の圧倒的な迫力は、多分日本人よりも海外の人達が喜ぶような作品なのかもしれない。『これこそジャパニメーション』だと思わせるステージにまで作り上げたスタッフ陣に敬服である。
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