「これが香港の現状か。重すぎる現実」誰がための日々 突貫小僧さんの映画レビュー(感想・評価)
これが香港の現状か。重すぎる現実
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家族がバラバラになっている。お互いがお互いを知りたいが知ることに怯えている。家族が一人々々が幸せになりたがる方向がずれている。だから、一番大切なものが、判らずに盲目になっている。そんな中で、トンは母親を施設に入れたがらず、自分で介護することを決断する。しかし、母からのこころないことを罵られ、介護うつで双極性障害になってしまう。父も、自分の生きる価値が見出せず、息子を看病しながらも、衝突してしまう。それぞれが、誰のために何のために生きているのだろうと苦しみ、父は、トンに枕の下にこっそり「金づち」を隠しているのをばれてしまう。トンの病状の再発に怯え、階段の踊り場に火の点かないたばこを床に叩きつけてしまう。どうしようもない苛立ちに苦しんでいる。そして、同じ悩みを抱える集会に参加し、自分の思いを涙声で訴えかける。母の言葉を回顧し、気持ち抑えるためにチョコレートを貪り食うトン、トンに介護してもらい素直な気持ちになれず後悔する母。自分の生活だけで十分な弟。
香港にいる家族の実状が知りやるせない。しかし、登場人物のそれぞれの誰にも言えない焦りを具に描かれている。トンガは住居の屋上に向かう
ヒヤヒヤさせられた。
ラストの父子の川面を見ながらの場面は、家族の繋がりを描いている。この家族の一面を垣間見られたようで、ラストのトンの一言が、大きな「救い」のように感じた。
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