「役者陣の演技が光る………だがしかし。」ゴールデンスランバー といぼさんの映画レビュー(感想・評価)
役者陣の演技が光る………だがしかし。
私は伊坂幸太郎のファンで、原作小説は数回繰り返し読み、堺雅人主演の日本版も視聴済みです。
「総理大臣(韓国版では大統領候補)が暗殺され、巨大な陰謀によって根っからのお人好しで名誉市民だった主人公が濡れ衣を着せられるが、仲間たちの助けを受けながら逃亡を図る」というのがこの作品の根本となるストーリーなのですが、この根本のストーリー以外の部分が大幅な改変をされています。
映画としては普通に面白かったのですが、原作ファンとしては「ここまで改変する必要あったんだろうか」と思わざるを得ません。映画化にあたって多少改変するくらいは仕方ないと割り切れます。しかし、原作では重要な役割を果たすキャラクターが登場しなかったり、ラストの展開も改変されているので原作のラストにある感動的なシーンが丸々無かったり、「求めてたものと違う」というガッカリ感がかなり強かったです。原作の名シーンは軒並みカットかれてました。
堺雅人主演の日本版は映画的にも面白かったし、かなり原作に忠実に作られていて個人的には高評価でしたが、この韓国版は「面白いけどコレジャナイ」という映画でした。
ただ、評価できるポイントも多いです。役者陣の演技が本当に素晴らしかった。特に主人公役の俳優さんは「底抜けのお人好し」な感じがよく出ていましたし、それ以外の配役もキャラクターにピッタリで本当に良かった。
原作ファン目線ではイマイチでしたが、映画としては普通に楽しめる作品だったと思います。オススメです。
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