「狙いはお前のイメージだ」ゴールデンスランバー shimoさんの映画レビュー(感想・評価)
狙いはお前のイメージだ
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映画「ゴールデンスランバー」(ノ・ドンソク監督)から。
作家・伊坂幸太郎さんの同名小説の映画化、それも韓国版。
勿論、小説も読んだし、堺雅人さん主演の日本版も観た。
共通するテーマは「世の中はイメージが優先される」なんだろう。
日本版は、マスコミの人権を無視したような報道に対して
「お前らのやっている仕事は、人の人生を台無しにするかもしれねぇんだ。
それくらいの覚悟は持てよ」と投げ捨てた台詞が、気になる一言だった。
今回は、国家ぐるみのイメージ戦略について、メモが増えた。
主人公が犯罪者にさせられた映像を見せられ、驚きながら、
「(たしかに)僕の声だけど、やってない」と主張すると、
「そう、ねつ造だ。つまり世の中はイメージなんだよ。
我々が流す映像次第で君は英雄にもなるし、人間のクズにもなる」
また別のシーンで「なぜ僕が? 平凡な人間なのに」と問えば、
やはり「狙いはお前のイメージだ」と言い切り、こう説明する。
「模範市民の裏の顔。世間が好きな筋書きだ。
信じていた奴に裏切られたら腹が立つだろ?
世間の目は犯人に集中し、事件の本質については無関心になる」
さらに「世間を騙すのは簡単だよ」と言い、
「なぜわざわざ、僕のような一般人に?」という主人公に
「誰もが標的になり得る。利用価値があれば誰でも」と答える。
悪態をつく悪い奴らの良い行動よりも、
善人者と評価されている人の悪い行動の方が、
注目されるんだろうな、今の世の中、とほほ。
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