マチルド、翼を広げのレビュー・感想・評価
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ありったけの愛とイマジネーションを捧げてくれた母への感謝の思いに満ちている
イマジネーションはあらゆる意志や物事の原動力と成り得るものだ。俳優であり、今やフランスを代表する監督にまで成長したノボフスキーにとって、この原動力を授けてくれたのは他ならぬ母の存在だったのだろう。
本作は幼い少女が精神的に不安定な母と共に暮らしながら、重要な場面で何度も涙を飲んだり、母のことを懸命に気がけたり、時には孤独に心が張り裂けそうになったりもする物語だ。しかし、だからといって母のことを恨んだり攻め立てるどころか、本作は絶対に特定のキャラクターのことを嫌な人物として描く真似はしない。
むしろ迸るのは愛であり、ありったけの感謝だ。この母が突飛なイマジネーションを通じて自分に捧げようとした愛がいかに大きなものだったのか。それが映像の温かみ、少女の奮闘からじっくり伝わってくる。ある意味、個人的な映画なのかもしれないが、それを誰もが共有できる境地にまで昇華させている点もまた素晴らしい。
ファンタジー
子供の感性で見ないといけないのかな。精神に不調をきたした女性を個人的に知っていただけに、母親に対する愛情にうまく共感できなかった。マチュー・アマルリックの諦めきったような優しさが印象に残った。ボリス・ヴィアンやオフィーリアとか、文学的なとこはフランス映画らしいですね。
上映中にもう一度観たいと思わせる母と娘と小さなフクロウのおとぎ話
フクロウが可愛いので何となく観たが
温かくて哀しくて可愛くて言葉では言い表せない涙が
溢れて溢れて止まらなくなった。
大人にこそ見てほしい素晴らしい作品。
9歳のマチルドが
世の中を嘆くのでもなく期待するのでもなくしっかり
見通してそれを表現する言葉と詩が素晴らしい。
ときに見えないもの聞こえないものまで見通す天性の 才能を持った(いい意味で母親譲り?)マチルド役を
子役にありがちな可愛い、健気、素直だけではなく
自然体で演じきっているのには脱帽。
学校の骨格標本のガイコツの気持ちにまで共感して
偏見や先入観を持たないマチルダの深い慈悲に温かい涙が流れた。
幸せは
状況じゃなく運命でもなく感じるものと深く感じた。
全員バカ センスもゼロ イライラしかしない映画
タイトル以上に言うことがない
全員頭悪くてバカで見ててイライラする 人間以外も含め登場人物すべてに魅力がゼロっていうのも珍しい ショタコンだから薄く期待したけど学校のシーンにも可愛い男の子一人もいないし
ひさしぶりに途中で出ようかなと思った映画 眠くなかったけど意図的に寝ようと頑張ったくらい見ててイライラした映画
ただ1つの救いはラストシーンだけは結構うつしかったこと 意味もあったしね まあそれだけです
彼女たちは幸せなんだろうと思う
時間が空いたので、案外評価が良かったので観ました
一番気になったのは、この二人を放っておくか・・・・
元旦那の健気さは良かった
フクロウに重きがあるはずが、あまりそんな気がしない
もっと大きな存在としてあって欲しかった
お話としてはあまり興味が持てなかった
(No.7)
感受性が豊かな人が変わった子と言われる
母は精神的に尋常でない人だけれど、ある面から見ればとてもおもしろい人。父も精神的に弱い面があるけれど、優しい男性です。
マチルドはこの両親を彼女なりに愛していて、9歳なのに孤独に置かれひどく困らされても恨んだり怒ったりするのをぐっと我慢している。
そんな健気な少女だけど、彼女も母親の異常なほどの感受性の鋭さを受け継いでいて、しかも異常にはならないところがすごくいい。
母親のせいで恥ずかしいことが多いけれど、自分の感性と相通じるものがあり、母親と共に生きようというその心意気。彼女の社会的自我の分身がフクロウとの会話で語られているのもオシャレ。押付けがましいところがなく、気持ちのいい映画です。
子役リュス・ロドリゲスの性格も役に影響している。監督が選んだ理由もよくわかります。自分の過去を投影するだけでなく子役に惚れ込んだ。負けん気が強そうでユーモアもある性格が、走ったり、鳥と見つめあったり地面を掘ったりするときの身體の使い方に現れていて、演技ではなく、子供の素晴らしい精神と存在感を感じさせます。
フランスで人骨を標本に使うのは、本当のことなの?これを死者への冒涜と感じて、物置から盗んで山に埋めに行くマチルドの感受性こそ正しい。
短いけれど大人になったマチルドをアナイス・ドゥムースティエが演じているのも納得。配役も監督の勝利です。
絵画オフィーリアに母への不安を重てあります
良い映画を観ました
一人の少女の成長物語でも有りました
映画の中の時間は1年くらいのことでしょうか
冒頭の小学生の少女はラストシーンでは大人の女性になりかけています
身体的にもそして心の内面においても
見事にその変貌の過程を写し取っています
繰り返し画面に写される森の中の池に仰向けに沈み死んでいる女性の幻想
それはジョン・エヴァレット・ミレーの絵画オフィーリアそのものでありました
オフィーリアはご存知の通りシェイクスピアのハムレットの登場人物です
彼女は行き違いの果てに狂気となり水死してしまう哀れな女性です
もちろん母への不安を象徴するものです
もしかしたら精神を病んだ原因を暗示してもいるのかも知れません
幼い心がその不安を受けめきれずにそれが溢れ出したが故の行動の数々と、父の庇護の下で心の安定を取り戻し母を受け止める力を持つまでに至った成長した姿の物語でもありました
ふくろうとの対話は孤独の象徴でもあります
彼女の心はふくろうという自己の対話で深く考える力を養い成長していったのです
トリュフォー監督の思春期にも似たフランスの小学生達の瑞々しい姿とその成長の物語でした
正に正統的なフランスの映画と言えるでしょう
フクロウ
マチルドを助けるフクロウの事が気になってちょっと調べてみたら、ヨーロッパでは賢さと知恵の象徴と言われているみたいです。確かに彼はいつもマチルドを冷静にさせたり知恵を与えたりピンチの時にはいつも守ってくれていました。本当にフクロウが人間の言葉を話せるかどうかは想像性の問題として、マチルドを見ていると孤独な時や辛い時には、知恵やイマジネーションが味方になってくれる事が分かります。私にとってのフクロウが映画や本であるように、誰にでもフクロウがいるのではないでしょうか。
大きくなったマチルドとママが雨の中で踊る姿を見て、やっとママの事を理解できた気がします。ママは感性の塊の様な人なんですね。マチルドもママの感性を受け継いだからこそ、喋るフクロウがやって来て彼に助けられたのかもしれません。今の世の中、効率を重要視していますが本当は創造が自分を救ってくれるのかも。
意味不
今年初っ端の映画1本目は洋画『マチルド、翼を広げ』です。
う〜ん、よくわからんw
頭が悪いからなのか、私にはこの映画がなにを言わんとしているのかよくわからなかった。
ただ、とりあえず面白かったので星付けました。うん。
マチルダ少女は、痴呆症の母親との二人暮らしで父親とは離婚済み。
ある日マチルダは母親から梟をプレゼントされる。
そこから物語が進んでいくのですが、内容も終わり方もよくわからなかったなぁ。
でもおもしろい。
子供にとって親の存在は計り知れない
精神を病む母と暮らす少女マチルドの物語。
母親とのコミュニケーションは難しく、一緒に暮らしているとはいえ孤独だ。母親の奇行により恥ずかしい思いをすることも少なくなく、何より何処かへ行ったきり戻らない夜の不安感は特別だろう。
今作は監督自身の体験をもとにしているのですね。非常に厳しい内容ながら、現実とイマジネーションの世界を往き来しつつ決して落ちきらない。結果、孤独な心を甘さを抑えたチョコレートで包んだようなファンタジーとして成立していた。
子供にとっては、親だから一緒にいたいし、親だから憎むし、親だから絶望する。どれほど大きな存在だろう。
いやあ、わからんかった…
久しぶりに、“観念的” な映画観たわ〜
心身症のどうしようもない母親と、心は繋がりあっている娘の日常、別離、再会。
母親のひいひいひいお婆ちゃんの話が、映像で繰り返し現れ、喋るフクロウと娘はやりとりしながら、話は進む。かといって、SFやファンタジーではなく、心象風景的な映画、としか言えないなあ。
飽きることなく観られました。映画としての出来はいい。意外な展開はほとんど何も起こらない。いや、母親がおかしいからどれも意外な展開か。なんか、そういうことはどうでもよくなって、母親と心を通わせる娘と少しだけ同期できると思うよ。
母親と娘の繋がりって、こんな感じなんだろうな。男の俺にはピンとこないが、こんな母親とかは関係なく、深い絆で結ばれているよね、というメッセージは伝わってきました。
女性に生まれて、観てみたかった。
ある方の感想にありましたが、確かに、「大人の味わい」だは。
苦しくて悲しいお話でした。
家族は代えられないもの。
だからこそ苦悩は深い。
解決方法なんてない。
受容するか、拒絶するしかない。
それを9歳で、なんて。
もっとファンタジーテイストで、子どもと一緒に見られる映画なのかなと思っていたのですが、なめてました。
詩的で、人の心の琴線に触れる映画でした。
崩壊していく母親の演技は大変引き込まれました。
「翼を広げ」というタイトルを命令形な意味でとらえたら、マチルドを応援している映画なんだなと感じることができました。
翼を広げて飛んで行け。
君はもう自分一人の力でどこへでも行けるんだと。
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