劇場公開日 2019年1月12日

「絵画オフィーリアに母への不安を重てあります」マチルド、翼を広げ あき240さんの映画レビュー(感想・評価)

5.0絵画オフィーリアに母への不安を重てあります

2019年2月5日
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鑑賞方法:映画館

良い映画を観ました
一人の少女の成長物語でも有りました
映画の中の時間は1年くらいのことでしょうか
冒頭の小学生の少女はラストシーンでは大人の女性になりかけています
身体的にもそして心の内面においても
見事にその変貌の過程を写し取っています

繰り返し画面に写される森の中の池に仰向けに沈み死んでいる女性の幻想

それはジョン・エヴァレット・ミレーの絵画オフィーリアそのものでありました
オフィーリアはご存知の通りシェイクスピアのハムレットの登場人物です
彼女は行き違いの果てに狂気となり水死してしまう哀れな女性です
もちろん母への不安を象徴するものです
もしかしたら精神を病んだ原因を暗示してもいるのかも知れません

幼い心がその不安を受けめきれずにそれが溢れ出したが故の行動の数々と、父の庇護の下で心の安定を取り戻し母を受け止める力を持つまでに至った成長した姿の物語でもありました

ふくろうとの対話は孤独の象徴でもあります
彼女の心はふくろうという自己の対話で深く考える力を養い成長していったのです

トリュフォー監督の思春期にも似たフランスの小学生達の瑞々しい姿とその成長の物語でした
正に正統的なフランスの映画と言えるでしょう

あき240
マサシさんのコメント
2022年1月6日

同感です。
このまま、オフィーリアの運命を辿れば、この映画矛盾すると思ったら!
凄いと思いました

マサシ