「困ったママだけど誰よりも最高のママ!」マチルド、翼を広げ とえさんの映画レビュー(感想・評価)
困ったママだけど誰よりも最高のママ!
他の人からしたら、ちょっと困ったお母さんでも、娘にとって唯一無二のお母さん
そんな母と娘の結びつきを強く感じた作品
監督で女優のノエミ・ルボフスキーが、自身の子供時代を描いた作品
監督が自らママを演じている
マチルドのママは、常に突飛な行動をするちょっと困った人だ
小学生のマチルドは、そんなママに振り回され友達もできない
しかし、ある時、ママが一羽のフクロウを買ってくるのだが、そのフクロウは話すことができて…というファンタジータッチのヒューマンドラマ
マチルドのママは、パパと離婚してしまったため、マチルドと二人暮らし
けれど、ママは精神的に不安定であり、突飛な行動を繰り返し、警察のお世話になる事態にまで発展してしまう
正直なことを言ってしまえば、マチルドのママは、とても厄介な人だ
普通に会話ができない時もあるし、いきなり姿を消してしまうこともある
そんな困ったママを、この映画ではユーモアたっぷりに映画化しているのは、この映画の監督であり、マチルド本人だったノエミ・ルボフスキーにとって、ママが誰にも負けない最高の人だったからだ
そして、マチルドは、そんなママの子供だったからこそ、後々、感情豊かな女優として成功したのだろう
そして、この物語どとても特徴的なのが、ペットのフクロウだ
フクロウはマチルドが困った時に現れて、いつも適切なアドバイスを与えてくれる
まるで父親のように
ということは、そのフクロウは、母子家庭で育つマチルドが思い描く理想の父親像なのだろうと感じた
とても悲観的なママとの日々をとても前向きに、楽観的に描き、遠く離れた父親をフクロウとして存在させることで、マチルドにとっては、とても大変な日々をユーモラスに描くことに成功している
そこから感じるのはマチルドのように、家族に心の病を抱えた人がいたり、母子家庭で育つ子供たちへの前向きなメッセージだ
そういう家庭で育つことはとても大変かもしれない
けれど、マチルドがその後、女優として成功したように、その時の思いが後々役に立つことがある
だから、そんな明日を夢見て、悲観的にならず、常にユーモアを忘れずに、家族と共に生活する一日一日を大切にしたらいいのではと
それがたとえどんな両親でも、誰にとっても、かけがえのない存在なのだ
そんな母への思いに溢れたステキな映画だなと思った