「壮大なキングダムの世界を見事に実写化」キングダム RON☆RONさんの映画レビュー(感想・評価)
壮大なキングダムの世界を見事に実写化
原作を知っている身としては、展開そのものはある程度予測できた。
よって注目したのは、限られた時間の中で、キングダムの物語を十分に描ききれているのかという心配でしたが、これは杞憂に終わりました。
前半、展開の一つ一つが丁寧に描かれて、このスローテンポで後半が大丈夫かな?と心配になりましたが、見事にまとめきっていました。
面白かったです。
キャスティングもまあまあだと思います。
山崎賢人に吉沢亮も、原作キャラのイメージを損なうほどではなく、役者の年齢を考えれば演技力も及第点だと思います。
吉沢亮の一人二役は見事でした。
また、山崎賢人が奴隷時代の信を演じるため、激やせした姿は見事に信そのものであり、そこに役者の魂を感じました。
多少、信の礼儀知らずだが元気でまっすぐな少年と言うイメージより、チンピラのような柄の悪い部分が際だってしまっていた点だけが惜しいと感じました。しかしこれは役者のせいばかりではないでしょう。
大沢たかお演じる王騎将軍はやはり流石でした。見事に原作の王騎将軍そのものでした。ただ、演技力はともかく、見た目の方はいまいちでしたね。あのヒゲもそうですが、何より二の腕のプニプニ具合が、歴戦の猛者になりきれていませんでした。
要潤の騰は出番も台詞も少なめと言うのもありますが、騰の魅力は引き出せていないと感じました。まあ、原作の騰を実写でそのまま演じるのは難しいのは分かりますが、あれじゃそこらにいる脇役となんの違いもない、薄いキャラクターになりそうです。しかしこれも役者と言うより監督と演出の力不足でしょう。
概ねキャスティングに文句はなかったのですが、橋本環奈の河了貂だけはミスキャストでした。
河了貂の年齢や身長が、原作と大きく違うのも原因の一つ(信が作中で河了貂の素顔を見て「ガキ?」って言ってましたが、正直子供には見えません)ではありますが、それ以前に橋本環奈の演技力が低すぎる。
これは他出演作品でも思っていたことですが、あれだけの作品に出演し、当然演技の指導も受けているだろうに、あの大根具合。
はっきり言って彼女に演技の才能はないと思います。
正直、この子はルックスだけで成り上がってきたんだなぁ、って感想です。
アクションシーンはお見事でした。
実写ならではの、見事な迫力でした。
ワイヤーもあんなものでしょう。
王騎将軍が槍を振るうシーンは燃えましたね。最強キャラの貫禄十分でした。
全体を通して、見事にキングダムの世界を作り出せていたと思います。
続編を楽しみに待つことにしたいと思います。
決して続編を作った途端に、一気に駄作化するような、ありがちな展開にならないよう、このクオリティを維持しつつ、すばらしい続編が創造されることを願っております。