劇場公開日 2019年5月17日

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「沈黙する教室」僕たちは希望という名の列車に乗った Miyuさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0沈黙する教室

2019年6月7日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

最強の青春映画。
同世代の若者たちが悲惨にも、勇敢な行動を起こしてたくさん亡くなった。このこと一点に心を揺さぶられて、たった2分間沈黙した高校生たち。彼らにとってこの行動は、好奇心と正義感、そしてまっすぐに死を悼む気持ちからでた純粋な行動だった。しかし大人たちは彼らを反逆者として、親の言うことを聞けない子供として、弾圧しようとする。もちろんこの映画は、当時の不安定な政治情勢を記録に残し、ナチスと社会主義、資本主義について現代人に考えさせる映画ではあるが、それに加え信念を持った高校生たちが大人たちに立ち向かう青春映画のようにも思えた。ちょっとしたいたずら心で始めたテオと父へのかすかな不信感から現在の政治情勢に疑問を持つ賢いクルトのように、クルト以外は初めこそ出来心からの行動だったと思う。しかし事実を知っていくうちに、そしてクルトの信念を感じることで、それぞれの中にまっすぐな正義が生まれてきて、1つの大きな決断に至る。ここまでには恋愛、嫉妬、将来への不安、裏切りなど高校生特有の未熟さもあるが、それを乗り越え確固たる信念に向かって成長していく姿は少し羨ましくも思えた。自分の高校生時代には全くない姿だったから。また彼らの親や校長も、社会主義を強制させる政府とは違い、子供たちの幸せを最善に考えていると言う点で家族愛も感じられる作品だった。最後にはテオやクルトの親が息子たちの信念を尊重していく姿に感動した。
彼らの将来についてもっと知りたい、そう思える作品だった。役者それぞれの表情や緊迫感がリアルで、引き込まれた。
タイトルと最後のシーンの組み合わせがとっても好み。
クレア役の子がめっちゃかっこよかった!笑

Miyu