「若干「だるキャン△」気味でしたが満足は満足」映画 ゆるキャン△ 晴兎さんの映画レビュー(感想・評価)
若干「だるキャン△」気味でしたが満足は満足
ゆるキャン△のメインキャラたちは、本気で怒ったり泣いたりしないし、恋愛の気配も見せない。もちろん悪役も出てこない。その「縛り」の中で二時間持たせるストーリーというのがそもそもかなり大変だったのではないか。見終わった後も90分で良かったのでは、と思っていた。あんだけみんなで一生懸命進めてきて案内板設置忘れとかそんなことあるか? ラスト間際でそのアクシデントは引き伸ばし感ありすぎでは? 間延び感は否めないところも。
むしろ腹くくって徹底したいつものゆるキャン△テイストにして、映画館という地の利を生かして、もっと没入感のあるキャンプの描写があってもよかったなーとか。川のせせらぎや鳥の鳴き声なんかが聞こえてきたとき「やっぱ大画面で観る意味ある!」と強く感じたのに、期待ほど「キャンプしてー」とそそられるシーンはなかったかな……。作品の趣旨に照らせば、映画だからこそ「キャンプに来ている気にさせる」描写こそいちばん丁寧にすべきではと思うんですがね……。いつものトーンで二時間はやっぱきついんすかね……。
が、大人になったみんなはそれぞれ「らしい」仕事に就いていたし、一人ひとりの「その後」に触れるたび、よかったねーとうるうるしてしまった。新社会人の葛藤みないなのは分かりやすく描かれていて、今回の設定ならではのドラマ性は鑑賞できた。アニメ本編も「親戚のおっさん」スタンスで観ていた自分にとっては、この作品にもそれなりのジュブナイル性を感じてしまう。
しかし恵那ちゃんトリマーでやっていくなんて、さすがに実家が太いだけあるなー、浮き世離れしとんなとか余計なことも考えてしまった。あとあきちゃんとゲラゲラ飲み明かしたい。
まあ原作パワーはちゃんとあるので、見終わった後のデトックス感と言いますか、めでたしめでたしと心が洗われる感じはじゅうぶんに残りまして、トータルの印象としては問題なく「観に行ってよかった」でした。しかしこの後キャンプ場の運営どうなるんだ。頼むぞ山梨県。