- 予告編を見る
「【死を感じた老詩人が、二人の息子を漢江に臨む閑静なホテルに呼び出し、一方男性関係で傷ついた二人の女性はいたわり合うようにホテルに居る静謐な会話劇。】」川沿いのホテル NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【死を感じた老詩人が、二人の息子を漢江に臨む閑静なホテルに呼び出し、一方男性関係で傷ついた二人の女性はいたわり合うようにホテルに居る静謐な会話劇。】
■漢江沿いのホテルに長逗留している老詩人・ヨンファンは、何となく自分が死ぬような気がして2人の息子をホテルに呼び出す。
一方、ホテルに滞在する傷心の美女・サンヒ(キム・ミニ)と夫と上手く行っていない女を気に入ったヨンファンは、彼女達の後を追う。
◆感想
・相変わらずの、ホン・サンス監督のミニマルな世界感が炸裂している作品である。
・途中までは、老詩人・ヨンファンと二人の息子の何処か噛み合わない会話劇が続く。
・一方、それに並行して男と上手く行かずに傷ついている女性二人はベッドで横になり、いたわり合っている。妻子ある男と別れたサンヒを演じるのはホン・サンス監督のミューズ、キム・ミニである。
■彼らが、交わるシーンは夕食時に、ホテル近くの食堂で背中合わせで食事をするシーンである。女二人は男達の会話を盗み聞きしながら、詩人と息子の一人が映画監督であるのでサインを貰うかどうか話している。
・そして、この作品では老詩人・ヨンファンは、直ぐに息子達の前から消えるのである。それはラストシーンでの出来事を暗喩しているのである。
<今作は、曰く有り気な一組の男家族と、女二人の人生を漢江に臨む閑静なホテルを舞台に描き出した作品である。ホン・サンス監督作品が好きな方には愉しめるであろう、静謐な会話劇である。>
コメントする