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「本当に天使だったと思う。」川沿いのホテル 春さんの映画レビュー(感想・評価)
本当に天使だったと思う。
菊川にあるstrangerにてホン・サンス監督の特集上映を開催していたので観賞してみた。
ホン・サンス映画を初めて観ましたが、ちょっと驚きました、本当に素晴らしい映画でした。
韓国の漢江沿いの人気のあまり無いホテルに連泊している老詩人と悲惨な恋愛から逃げきたらしい若い女性の宿泊者の物語。ただお話しらしいお話しは特に無く、シチュエーションと魅力的な登場人物達の会話を楽しむ、純作家主義な作品です。主人公の二人はもちろん、それぞれホテルに会いに来る、詩人の息子達や女性の会社?学校?の先輩の女性も本当に魅力的で愛らしい人物達でそれぞれの会話を聴いているだけで楽しい。初めはただの男性主義的な人物だと思った詩人もミューズに命をかける本物の芸術家であり、情けなくも愛すべき人物だと好きになりました。
兄弟のお兄さんも弟さんも良い部分も悪い部分あり非常に人間的で微笑ましく印象的、ホテル従業員の女性も何か可愛らしくてとても良かった。(画面に登場する人物は以上6人だけです。)主要な舞台であるホテルの描写も、なんとなく寂しく空虚だけど美しく引き込まれずにはいられませんでした。
そして、何よりあのラストです!それまで淡々とお話しは進んでいきますが、ラストシーン2連発でもう驚愕でした。
あの二人は本当に「天使」だったのか…。なんて羨ましい素晴らしい人生だった事でしょう。
猫のカットとかさりげないユーモアも通底していて、何て後味の良い映画だろう。
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