「このクソったれな世の中へ」麻雀放浪記2020 U-3153さんの映画レビュー(感想・評価)
このクソったれな世の中へ
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現代をディスりまくってる作品かな。
戦後からタイムスリップしてきた「坊や哲」が戦後に帰りたいと宣う。
その理由が本作の大筋。そう思うと、主人公が賭博師なのも頷ける。
荒廃した時代よりも、物が溢れて平和な時代の方が幾分か住みやすいと思うのだが、命の煌めきを肌で感じれる世の方が、彼には良いのだ。
そんな対比が語られるわけなのだが…。
どおにも監督自身の反骨精神なのか、不満なのかが相当濃くてあてられる。
この低予算っぽい作りを「逃げ道」と捉えるか「謀反」と捉えるか。
現代に蔓延する正義という名の理不尽に悉く噛み付いたような印象だ。
そんな内容を受け取っちゃったものだから、今回の騒動は渡りに船だったんじゃないかと思える。公開できない理由などではなく、だからこそ、公開するべきだと主張する理由に。
ただ、ちっと洒落では済まなくなったなぁと。
色々、物議を醸してるであろう本作。
だけども、見終わった今、ちょいと胸がスッキリしてるのは何故だろう?
多分、空耳なんだけど「うるせえ、バカヤロー」とこぼす監督の声が聞こえてくる。
色々とタブーに切り込んだ本作ながら、表現者たちも一緒くたに混ぜちゃったもんだから、ナマクラな刀で斬ったような愚鈍さが残る。
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