「コンフィデンスマンの世界へようこそ」コンフィデンスマンJP 近大さんの映画レビュー(感想・評価)
コンフィデンスマンの世界へようこそ
すでに3作も作られた人気TVドラマの劇場版の第1作目。
ドラマの存在や劇場版が3作共大ヒットした事は知っていたが、ドラマも映画も未見。
TVドラマの劇場版は2タイプある。ドラマからの完全な続きで、完結は映画で…っていうのと、ドラマの続きではあるが、映画は映画単体で見れるのと。
本作は後者。今回初めて見たが、面白かった!
天才的なダー子、お人好しのボクちゃん、ベテランのリチャード。3人は超凄腕の詐欺師=コンフィデンスマン・トリオ。
一般人は騙さず、ターゲットは欲にまみれた悪党ども。あっと驚く手口で大金を騙し取る。
これさえ抑えておけばOK!
所謂“コン・ゲーム”物なので、純粋に騙し騙されのストーリー展開を楽しめるのがこれまた有り難い。名脚本家・古沢良太の巧みな手腕。
さて、初の劇場版で“初コンフィデンスマン”のターゲットは…
“氷姫”の異名を持つ香港マフィアの女帝、ラン・リウ。
彼女が持つ幻の秘宝“パープル・ダイヤ”。
それを狙い、ダー子にペット詐欺を仕掛けようとした新米詐欺師のモナコも仲間にし、香港へ飛ぶ。
一切公に姿を現さないラン・リウ。それでも少なからず手に入れた情報を元に、モナコと占い師姉妹に扮して接近。
そこに現れたのは、ダー子と“訳あり”の詐欺師ジェシー。彼もパープル・ダイヤを狙っているようで…。
さらに、ダー子らと因縁ある“日本のゴッドファーザー”赤星も暗躍。
ダー子たち、ジェシー、ラン・リウ、赤星…四つ巴のコン・ゲーム。騙し騙され、最後に笑うのは…?
まず、キャストの魅力。
長澤まさみ、東出昌大、小日向文世の軽妙にして絶妙な掛け合い。
特に長澤まさみは劇場版3作と同時期に『キングダム』や『MOTHER/マザー』などでシリアス演技を披露する傍ら、本作ではキュートで魅力的過ぎるハイテンション・コメディ演技。改めてその演技の降り幅に驚かされる。
小手信也ら脇も愉快な面々。今回新参加の織田梨沙の奮闘は“可愛い…”。
江口洋介演じる赤星はTVからの続投で、3人に30億円騙し取られた過去あり、復讐を誓う…という分かり易い設定なのが有り難い。
今回の“オサカナ”ラン・リウに竹内結子。ジェシーに三浦春馬。
竹内結子は“氷姫”として存在感見せ、三浦春馬は色気ダダ漏れ。二人一緒に画面に映ったり、ロマンチックなシーンを演じたり、言うまでもないだろう。本当に惜し過ぎる。惜し過ぎる。惜し過ぎる!
ジェシーは恋愛詐欺師でもある。かつてダー子も骨抜きにされ、ダー子が“スタァ”と呼ぶ天才詐欺師…?
ラン・リウは“氷姫”と恐れられる一方、愛を欲する孤独な面も…。別れた夫を今も愛していた。
それを利用し、ラン・リウはやがてジェシーの虜に。
二人の間に割って入ったのが、まさかのダー子。ジェシーに発砲。
恋と詐欺の三角関係…は実は、ヨリを戻したダー子とジェシーが仕組んだもの。
ラン・リウを騙し、パープル・ダイヤを入手。ボクちゃんらも裏切った。
高飛びしようとする二人の前に現れたのは、赤星。
ダー子らに復讐を誓う赤星が依頼したのが、ジェシー。
赤星とジェシーが手を組み、さらにはモナコもジェシーの手下。行動は筒抜けだった。
ジェシーの詐欺、赤星の復讐にしてやられたダー子たち。
そこへ、騙された事に怒り心頭のラン・リウが警察を率いて乱入。
赤星とジェシーはヘリに乗って逃げ、ダー子らは警察に捕まり…。
ダー子たちまさかの敗北…と思ったら!
ラスト、一気のタネ明かし。
そもそもはダー子の詐欺師仲間が恋愛詐欺に遭った事。自分も苦汁を飲まされたジェシー。
さらには赤星が復讐しようとしている情報も。
何かいい餌で、二人まとめて騙しちゃおう!
その“餌”が、氷姫とパープル・ダイヤ。
誰も顔を知らないラン・リウ。あの方に頼もう。
最後の打ち上げパーティーに現れたのは、な、何と! ラン・リウ…?!
実は彼女こそ、ダー子が“スタァ”と呼ぶ天才コンフィデンスウーマン。最後の最後に竹内結子がハッスル!
最初から仕組んでいた赤星とジェシーだが、ダー子はさらにその前から仕組んでいた。
一枚上手。またもや騙された赤星としてやられたジェシーだが、ダー子からの“ラブレター”に見てるこちらもニンマリ。また騙して!
パープル・ダイヤも偽物。本物の所在と本物の氷姫は…? あんたで、そこにあったんかい!
呆然とするモナコはまさに我々。
す、凄い…。
でも、心地よく騙された。
コンフィデンスマンの世界へようこそ。
2作目3作目も楽しみ。