「バイオレンスのなりそこない」タロウのバカ 着るさんの映画レビュー(感想・評価)
バイオレンスのなりそこない
予告編動画が、少年の純粋さと残酷さが合わさったように見え、非常に期待してこの映画を拝見させて頂きました。
しかし、蓋を開けると支離滅裂でお粗末な内容。
他のレビューの方も仰ってますが、まず最初の障害者の方の隔離施設?でのシーン。ファーストインパクトとしては、良かったと思いますが、これが全く活かされてない。エイジはなぜ障害者の方に手をかけたのか?その後の展開を見ても、全くその説明もなく、流されていきました。
このレベルの未回収のままの伏線が作品内にあまりに多すぎる……。割愛します。
全体の雰囲気として、殺伐としたものを目指したのかもしれませんが、売春や銃やドロップアウトなどありきたりなものが羅列されむしろ滑稽。作り物感を感じてしまいました。たくさん付属品を付けすぎて結局何が言いたいんだ?
ラストシーンも想像通りで、結局叫んでばかり。
個人的に、池での男児が常に股間を触っている意図や、女子高生コンクリート詰め殺人事件をあんな風に扱っていることが非常に不愉快でした。
演技力は、やはり有名どころの方々は素晴らしい。
國村隼さんも最初だけでしたが抜群の存在感でした。
中心となる3人ですが、菅田将暉の演技力がやはり飛び抜けていて、特に映画中盤では他の方々を飲み込んでいました。仲野太賀さんの最期のシーンも狂気的で、あそこは映画の中で1番ドキドキして拝見させて頂きました。
賛否両論ありますが、僕はyoshiさんの演技はそこまでかなぁ?と感じてしまいました。叫ぶ演技が多かったせいや上記で示したように実力派俳優に囲まれてしまったせいかもしれませんが、少しくど過ぎるし声の感情表現が乏しいかな、と。ですが、まだ未成年で初主演であるので、これからに期待したいです。
演技力の面での星0.5ですが、作品としては大マイナスです。
有力な俳優の無駄遣いで、とても勿体ない。
何かしら鑑賞後、感情が湧くわけでもなく陳腐さが目立ち、シナリオもかなり未完成です。
オススメは出来かねます。