「3人の世界を否定するほど自分は立派なのか」タロウのバカ Yuさんの映画レビュー(感想・評価)
3人の世界を否定するほど自分は立派なのか
若いエネルギーはどこにぶつけるのが正しいのか。
勉強?部活?恋愛?遊び?
このありきたりな、当たり前と思われる選択肢がもし与えられていなかったら、与えられていたとしても、居場所がなく認められていなかったら、、、??
唯一の仲間との犯罪や殺人を私たちは責められるだろうか。
この映画を共感できないと遮断してしまうのは違う。
たまたま自分の環境が整っていたから、常識を教えられたから犯罪とは無縁の生活だったかもしれないが、
エネルギーを注ぐ矛先がわからなくなることについては共感できたからこそ、
3人を否定することは出来なくて、3人に必死に向き合った映画だった。
生きるか死ぬかなんて紙一重だと私自身も感じたことがある。
戦争の話が映画にも出てきたが、一瞬で国のために消える人の命はどれくらいの重さなのか。
そんなに重いものではないのではないか。
私たちは自分が知らない人が死んでいても気にも留めない。でも、大切な人が死んだらとっても悲しい。
ただそれだけのこと。鳥の目でみるか、虫の目でみるか。この映画は、その描き方がとても上手いと思った。
エイジは「そんな簡単に人は死なねえ」と言っていたが、死んだ。本人は「そんな簡単に」と発した言葉をどう受け止めて死んだのか。その答えが映画にはなくてとても気になった。
タロウは「好きって何」と常に問うていた。誰も真剣に答えてあげていない、そう言う環境に彼はいる。誰か向き合って教えてあげられる人がいれば変わっていたかもしれない。結局、仲間の死を見て知ることになる。
YOSHIくんの事、残念です。めちゃくちゃ切ない。普通に生きるだけの事が難しい人が居るんですよね。家族や恋人…好きな人が居ると、少しは幸せになれるのかな?
共感ありがとうございました。