「奪ったのか、与えられたのか」靴ひも ミツバチば~やさんの映画レビュー(感想・評価)
奪ったのか、与えられたのか
父子が別々に暮らした長い時間。
父子が一緒に暮らした短い時間。
そこで二人は、それぞれに何を得たのだろう?何を失ったのだろう?
障害があるとか、ないとか、そんなことよりも、自分のことをしっかり人に伝えられること。だれかに助けを求めること。
それができたら、障害のあるなしは関係なく生きやすくなるんじゃないのかな。
「僕はサポートを受けなければならない人だけど」自分から、それを言える強さ。
特性はあっても、人の言葉をキャッチできる感性。いったい、この人の何が障害されているのか?
かたや父親は、どう?
何も語らず、隠し続け、人にSOSを出そうとしない。とても生きにくそうだ。
自分が周囲から愛されていることにも、気づかず、がんこで弱虫にすら見える。
でも、たしかに愛されているんだ。
不器用だけれど、そんな父のことを包み込む大きさが彼にはある。
それが、子どもの頃からの療育の結果なのかもしれない。
それが母が遺した宝物なのかも。
障害って、いったいなんだ?
そんな余韻が残る映画でした。
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