プロジェクト・グーテンベルク 贋札王のレビュー・感想・評価
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オチがちょっとね
導入から贋札づくりに入るプロセス、贋札完成までの前半部はテンポも良いし、難問の解決過程も面白かった。
後半は趣向が変わって、販売・回収プロセス、目まぐるしく展開される取引場所と登場する怪しげな商売相手。海千山千感もありハラハラドキドキ。派手なアクションも楽しめる。負傷した女性を愛した女性の顔に整形するのも面白い。ここまでは良し。
ただね、「画家」がそうだったか、ラストの違和感持ったのが残念。このオチがなくても充分だった。「画家」を実在にしてもう一捻りしても良かったのではないか? ラストのボート爆破と、彼女のセリフ、これも何か悲しい。結局、主人公は、彼は「観客」を超えられた??
切ない・・・
シウチンにとっては、愛する人が本当の自分を愛してくれない悲恋物語。画家に取っては最後まで本物に届かない悲恋物語。何かどんでん返しはあると思っていたが、画家がチョウ・ユンファでなく、アーロン・クォックだったとは。しかも、ユンと恋人同士ではなく、単なる憧れていた隣人だっとは。冒頭はオーシャンズを思わせる、偽札作りの工程におけるそれぞれの専門家が描かれたり、違うのはリーダーであるチョウ・ユンファが殺しも厭わない非情だということ。将軍と呼ばれる軍隊を持つテロリストを男たちの挽歌を思わせるマシンガンで壊滅させるところはちょっとやり過ぎか。後半はどうやってアーロンが組織を抜けるだろうと思いきや、どんでん返しでした。ユンは夫を殺され、完全に逆恨み?ストーカー?に巻き込まれた一番の被害者。
デューラーの銅版画で期待感アップ
偽札作りのプロセスにすごく興奮しました。紙をさらに薄くはがすのか、インクや紙も大事で政府管轄下なのか、凸版印刷ではダメなのか…。
ゴールデン・トライアングルのドンパチ場面、二丁拳銃登場!爆発!なども興奮しました。
彼はいつもオドオドして心優しい人なのにと思いながら、なんでそんな彼を危険な所に連れまわし、彼の為に良かれと思うことばかりしてくれるんだ、二丁拳銃は?という疑念が途中で私の心を掠めましたが、あえて無視しました。
そしたら、え~!そうなのか~!もう1回、私の疑念と良心に従って見なくては!音楽選曲よかったです。
2回目見ました!ホー警部補がとてもよく(以前と以後の外見、可愛らしさの違い、でも一途の気持ち)、自分は本物?偽物?、晴れ舞台にたてる人を見上げるだけの人の思いが刺さってしまいました。
皆さまご指摘のUS、知りませんでした!でも私の好きなガブリエルが出ていることがわかったので、USも見るんだい!
心をこめれば贋作も本物になる
テーマとしてはこれしかない!贋作も本物を超えることがあるんだと。監獄から手紙を出すシーンなど、最初から緊張感MAX。香港に移送されてからも、かつての恋人だったユンが迎えにきてくれて、徐々に過去を語りだすといった手でストーリーは展開する。しかし、お前も贋作だろ?と、ホー警部やユンや「画家」さえも疑って見てしまいました・・・この疑心暗鬼に溢れた鑑賞法は『ユージュアル・サスペクツ』でも失敗しています・・・
まぁ、そんなストーリーそのものよりも、米新100ドル札をいかに偽造するかというテクニックに惚れ惚れしてしまいました。ここまで手が込んでいたら、そんなに儲からないんじゃね?などと感じるとともに、原版、無酸性紙、特殊インク、透かし、凸版凹版など通常の印刷知識だけではわかんない、科学的な偽札作りに呆気にとられてしまいました。
カナダで恋人同士だったレイとユン。画家として成功したユンに比して、レイは贋札作りの道を歩む。世界中での取引において、カナダではインクを奪うために警備員たちを殺しまくり、ゴールデン・トライアングルでは復讐のため「将軍」と呼ばれるボスと私設軍隊を殺しまくる。
ここではチョウ・ユンファが二丁拳銃、さらには二丁マシンガンをぶっ放し、爆弾炸裂、仲間もロケットランチャーでアジトを壊滅!無茶やりおる。そこで愛人(?)のシウチンを助け、自分の恋人にしてしまうレイ。整形で顔も変えて・・・など、アクションも全開、チョウ・ユンファファン必見のシーンだ。
このシウチン(ジョイス・フォン)がまたいい。命を救ってくれたレイに尽くし、徐々にユンに似てくるのです。刑事とユンの婚約者殺害の部屋では茶髪だったし、これが記憶を曖昧にしてくれるギミックとなっています。え、どっちだっけ・・・と。また、ホー警部も過去の顔と現在の顔が微妙に違ってるし、もう贋作ならぬ贋顔ばかり。クルーズ船での出来事の時系列も違っているのでさらにややこしい。
「画家」=チョウ・ユンファでも良かったんですが、最後にはやっぱり・・・と、翻弄され続けていたホー警部だけが可哀そうに思えてくる。海外の撮影もいっぱいあるし、結構金かけてるな~と思わせる。とにかく掟(自ら偽札を使うな)を守らなけりゃね。誰が作った掟か知らんけど。
グーテンベルクとはドイツの印刷機または発明した人名。サブタイトルの「贋札王」なんて、「巌窟王」をもじっただけか?などとも感じたオープニングの牢獄シーンでした。
男たち、女たちの贋札
中国や香港で大ヒット、国内で多くの賞を受賞するなど高い評価を得、韓国でのリメイクも決定。
日本公開前から実は結構気になっていたアジアン・クライム・ムービー、評判違わぬ面白さだった。
タイの刑務所から香港警察へ身柄を拘束された男、レイ。
彼は、世界的贋札造り組織のメンバーであった。
組織からの報復に怯えながら、取り調べを受ける。自身が関わった経緯、“画家”と呼ばれるチームリーダーの事…。
時を遡り、90年代のカナダ。
恋人との安定した生活を夢見るレイ。が、才能を認めて貰えず、“主役”になる事は夢のまた夢…。
生活の為に、贋作に手を染める。元々腕はいいので、本物と見紛う出来映え。
そんなレイの前に現れたのが、“画家”。自身の組織にスカウトする…。
実在の事件に着想を得たという本作。
先日NHK-BSの番組『ダークサイド・ミステリー』でも実在の贋作画家の数奇な運命を取り上げていたが、共通している事がある。
画家として大成出来るのはほんの一握り。中には、死後数百年も経って伝説になる画家も。よほどの才能と運がない限り無理。絵画の世界の事など知らない自分が言うのも何だが。
本当は画家として大成したかったのに…、ある一時の魔が運命を狂わす。
そしてそれが延々と、もはや後戻り出来ず、深みにハマり…。
この世界でこそ、自分はやっと認められ、“主役”に。
贋札製造の過程は不謹慎ながら、興味津々。
勿論犯罪だが、芸術レベル。
と同時に、“本物”にしか見えない完璧レベルの“偽物”が最先端の対策をかいくぐって造られ続けるから、こうした犯罪も永久に無くならない恐ろしさ。自分もひょっとして、知らぬ内に世に氾濫する偽札に一度は触れた事あるかも…。
単なる偽札題材に非ず。
スリリングな取引、駆け引き、裏切り、騙し合い…この手の作品の必須要素!
それから、これ本当に偽札題材のクライム・ムービーだよね?…と思うくらい、ド派手なアクション・シーンも。
ガン・アクション、大爆発、バイオレンス…かなり迫力ある見せ場にもなっている。
ちと人間関係…特に男たちを取り巻く女性たちがこんがらがるが、エンタメ性も抜群!
“画家”チョウ・ユンファの存在感は言うまでもなく。あの出世名作を彷彿させる二丁拳銃やショットガンをブッ放す出血大サービスも!
『ワイルド・スピード』で例えるなら、ユンファがドミニクなら、ブライアンはアーロン・クォック。
偽札造りの世界にハマっていく…。
“画家”や組織メンバーと友情を育んでいく…。
特殊な用紙やインクを手に入れる為なら殺人も厭わない“画家”。
“掟”は絶対。
次第に“画家”に対して怖れを募らせていく…。
本来の画家としての苦悩…。
恋人の存在…。
実質主役みたいな立ち位置で、“色んな”意味で旨味のある役回り。
監督は『インファナル・アフェア』シリーズの脚本家、フェリックス・チョン。
そう、ストレートなクライム・ムービーを作る訳がない。
どんでん返し!
これには素直に騙された~!
レイが警察に話していたのは嘘で、あのOPシーンから予測するに“画家”が助けに来て、これは全て作戦だった…というのはよくあるパターン。
本作はちょっと捻り。あのOPシーンは“そのまんま”。
答えみたいなもんだが、ネタバレチェック付けるので触れるが、『ユージュアル・サスペクツ』的。
そう言うと既視感あるかもしれないが、これはこれで面白く、OK!
やはりもう一度見返したくなるほど。と言うか、再見してしまった。
内容的に“男たちの偽札”な感じだが、先にも触れた通り、女たちの存在も絡む。
男と女、求めた真の愛…。
“画家”は警察や世界を手玉に取った。
でも最後、愛憎とでも言うべき感情で“画家”を翻弄したのは、寧ろ女たちであった…。
(華のあるアジアン・ビューティーなのも宜し)
圧
スクリーンから目が離せない。
プロット自体には既出感を感じるものの、展開の巧さというか、アングルの威力というか…130分と尺的には長いものの全く飽きる事がなかった。
自供という形で話は進んでいくのだが、詰まるところ「画家」なる人物像は即興で創作された人物であり、自供してる人物こそが「画家」ってオチ。
全編通して「贋作」ってテーマが貫かれてて、偽札も贋作ならば、犯人像もでっち上げ、自供も嘘で、彼とヒロインの関係性すらも捏造なのには驚いた。
とにもかくにも絵力が半端なく、切り取られるアングルが秀逸だったのではないかと考える。時に人物の心情を映し、時に状況を魅せる。グイグイ惹きつけてくれるのだ。
相関図はそこまでややこしくもないのだけれど、キャラが背負ってるものが中々に重たくて、その辺は大陸の十八番なのかと唸ってしまう。
久しぶりに中国語を聞いたなぁと思いながらも、さすがの完成度に舌を巻く。
見応えあった。
Fake for All,All for Fake
たまたまやってるとこ見つけて鑑賞
情勢から集客減少で苦しいと聞く香港映画
チョウ・ユンファ復帰作なんですね
題名は著作権の切れた書籍文献のネットアーカイブ化
事業の名前みたいですね
その感想としては
ラスト15分のどんでん返しを謳っている作品ですが
ほぼあの名作そのまんまでしたね
でも独特の香港ノワール的アクションも
しっかりしていて見ごたえはありました
偽札使用及び偽造グループの仲間割れ殺人の容疑者として
タイから護送された元贋作画家のレイ(アーロン・クォック)
が司法取引的にする回想録を映像で起こすように始まるストーリー
・・ん?
同じ芸術家として評価を高める恋人ユンに対し
逆に全く評価されないレイはユンと別れ
贋作作家としての腕を磨いていく中で謎の男「画家」(チョウ・ユンファ)
に会い偽札造りの協力を要請されます
透かしや印刷など徹底するため原版の作成
特殊な印刷機やインクの入手までを事細かに描写し
謎の男が目的のために殺しも平気でやる冷酷さも知ります
レイは複雑な気持ちになりますが「画家」はこの仕事を
やり遂げてユンに胸を張って会いに行けと焚きつけます
・・これは皆「回想録」です
そしてついに偽札は完成し顧客に売りさばきますが
最後に訪れたのは「将軍」なる男のいるジャングル?の
基地みたいなとこでその将軍が「画家」の父を謀殺した真相を
明かしド派手な銃撃戦になり「画家」も銃弾を全身に受けながら
も将軍に復讐を果たします
レイはその中でやけどを負った将軍の秘書みたいな女性を助けます
女性は全身に火傷をしていましたがレイの介抱で顔も治り
「画家」は元恋人ユン・マンと入ったパスポートを渡し
病院を立ち去ります
・・んん??
くれぐれもこれは「回想録」です
その後本物のユンは金持ちそうな男と婚約を発表
一方偽札組織は仲間のヘマから「画家」はその仲間を粛清
簡単に人を殺す「画家」にレイは嫌気がさし抜けることを決意しますが
最後の仕事として囮を見抜いた捜査官を誘い込んで消す仕事を最後にします
そこで捜査官を消しますが「画家」は同時にユンとその婚約者を
隣室に拉致しており婚約者を消してユンをお前のものにしろと迫ります
・・んんん???
なんで「画家」はここまでレイに肩入れするのでしょう?
そして結局何もしないレイに先立って「画家」が婚約者を
射殺してしまいます
激高したレイは「画家」に発砲
偽ユンもレイを救うために仲間を射殺
捜査官・仲間・画家・婚約者の死体が転がる
現場からレイと偽ユンは立ち去ります
その後逃げおおせた二人は隠れ家で現場から
「画家の死体だけが見つからなかった」報道を見て
必ず自分たちを消しに来ると覚悟しレイは自分から捕まり
警察に保護を求めますが護送されるレイをあざ笑う
「画家」の姿がそこにありました
ここで回想録は終わり
「画家」のモンタージュを作成
レイは司法取引に従い保釈されます
すると捜査官が婚約者だったホーは喫煙所で
警官の姿をしたさっき聞いた「画家」を見つけ
レイを消しに来たものと応援を要請し
その男を大人数で取り押さえます
・・するとその男は「ン・フクサン」と名乗り
正しいIDとレイを空港から護送してきたクルマの
運転をしていたと叫びます
・・ハイもうわかりましたね
これケビン・スペイシー主演のアカデミー脚本賞獲った
傑作「ユージュアル・サスぺクツ(1995)」です
もう25年前の作品になるんですね
あの映画は取調室の壁に貼ってある名前を使ってましたっけ
結局レイが自分で仕組んだ計画であり
人を殺すのをためらうどころか
本物ユンの婚約者まで消してしまう超冷酷男だったと
自分をも贋作に仕立て上げてしまったわけですね
将軍のアジトで助けた女性も顔の手術でユンそっくりに
治された贋作にされてしまいました
ラストはその他人をも偽ユンにしたツケを払わされますが・・
ユージュアルサスぺクツを知らない客にはそれなりに
驚かせる結末ではないかと思いますし
チョウ・ユンファがバリバリ撃たれながら平気なのも
男たちの挽歌シリーズを連想すれば分かる話だったり
ミスリードを誘う演出はやるにはやってるんで
ただのパクりにはなっていないとは思います
ただこういう回想をリアルに見せて騙す手法ってやっぱ
ずるいなと思いましたw
まあでも映画ならこれくらいやっちゃっても
なんだかんだいいのかなと思います
完成度も決して悪く無かったです
でもなんかこういう系の映画は引っかかりますw
全てがウソな映画としては徹底しているのでした
伝統芸能・チョウ・ユンファの二丁拳銃
前半の贋札チームの動きは、知的なコンゲームみたいで面白かったけど、後半のド派手なドンパチシーンはイメージが違う感じです。登場人物もやたら多く、お話が脇道に外れたりして、整理されてなく分かりにくい所も。でも、最後の15分のどんでん返しで、今までイマイチ辻褄の合わない所も妙に納得できてしまうから不思議です。大スターのチョウ・ユンファを逆手に取った作り方に、やられたーって感じです。『ユージュアル・サスペクツ』と似ている所もあるけど、気にしない気にしない。なんたって、贋作がテーマの映画だからね。
「ドンデン返し」が好きな人にはお勧めです。
過去作の「パクリだ!」とか「二番煎じだ!」という批判何有るようですが、その著作権者からの抗議が無いのであれば、それは「定着したパターンを踏襲した作品」ということで良いのではないでしょうか。その過去作と言うのを見ていない私としては充分に面白い内容でした。
「ドンデン返し」の「ドンデン返し」が好きな私にとっては満足できた娯楽映画でした。映画でした。「有り得ない」と思った「派手な殺戮シーン」も嘘の誇張と判れば納得できました。
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