虐待の証明のレビュー・感想・評価
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【自らも、母親からの虐待を受けていた女性が、同じく虐待を受けていた小さな娘を命懸けで助ける姿が心に響く作品。】
ー 韓国でも児童虐待が頻繁に行われている事は知っているし、映画でも「幼い依頼人」「トガニ 幼き瞳の告発」など秀作が幾つかある。この一作もそれに加えても良いと思う。-
■母親から虐待されて育ったペク・サンア(ハン・ジミン)。レイプ事件に巻き込まれるが、犯人を刺した事と犯人の親が有力者で刑に服すことになった。
出所後も彼女はすさんだ生活を続けていたが、ある日、道路の片隅で震える少女・ジウンと出会う。ペクは過去の自分を重ね、ジウンに手を差し伸べるが、彼女の引きこもりのゲームばかりしている愚かしき父キム・イルゴン(ペク・スジャン)と、彼の姉のミンギュン(クォン・ソヒョン)からの虐待を止められない。
切羽詰まった彼女は、ジウンを連れ出し逃がそうとする。
◆感想<Caution!内容に触れています。>
・ハッキリ言って、観賞するのがキツイ映画であるが、それはミンギュンを演じたクォン・ソヒョンの演技の凄さである。だって、あんな役は演じたくはないでしょう。この女優さんは、他の作品だとコミカルな役も演じているからね。
・今作での救いは、勿論ペク・サンアの、決死の思いでジウンを助けようとする姿と、彼女を助ける刑事チャン・ソプ(イ・ヒジュン)の善なる姿である。
■ハン・ジミンという女優さんは初めて観たのだが、哀しみと優しさの入り混じった表情が絶妙に上手いし、心に響く。この女優さんは、自らも虐待されていたのに、それを克服して且つての自分の様な境遇であるジウンを助けようとする姿を、体当たりで演じている。
■最近は余りニュースでは見なくなったが、数年前、今作のキム・イルゴンの様に、自分の娘を躾と称して虐待して殺した男が居た事を覚えている方も多いと思う。
量刑は可なり重いモノであったが、私は”一罰百戒で死刑にしろ!”と思い、友人の弁護士数名に聞いたが、あれが現在の刑法では最高の処罰と聞いて愕然とした事を苦々しく思い出す。
<今作の救いは、事件の一年後に父キム・イルゴンと、彼の姉のミンギュンが重刑に処された事がニュースで流れる居間で、刑事チャン・ソプの家で幸せそうにご飯を食べているジウンが映されるシーンと、ジウンが学校の門の前でペク・サンアと再会するシーンである。素直に良かったなと思ったし、ペク・サンアをじっと見るジウンに対し、優しく微笑むペク・サンアの表情が心に響く作品でありました。>
この世界は、なんて残酷なのかー。
原題
미쓰백
英題
Miss Baek
感想
韓国で実際に起こった児童虐待事件を下敷きに、現実の問題に真正面から切り込んだイ・ジウォン監督が、初監督作と思えない手腕を見せた問題作。子どものころに母親から虐待を受け捨てられた女性が同じ境遇の少女と出会い、彼女を守るため奔走する。
壮絶な描写で韓国を騒然させた児童虐待の真実。
虐待の描写がリアルで胸が締め付けられる、心が痛くなる作品でした。
韓国映画は憎悪と悲哀を描く作品は抜群ですね。
上映時間98分と長すぎないのも良きです。
夫と内縁の妻のムカつく演技は素晴らしかったです。
子役キムシアの表情力も素晴らしかったです。
一年後、刑事と姉と暮らしていて、学校にも通えていて良かったです。
体の傷は消えるけど心の傷はなかなか消えないんですよね…。
※私みたいな人間でも母親になれるかな
毒親…
虐待の胸糞悪いシーンの数々。自らも虐待されてた親が子に虐待してしまうという負の連鎖。普通では考えられないが、心のトラウマは分からない。ミス・ペクのように助けるのが普通なのだが。どこまでが実話なのか不明だが、虐待の連鎖を扱う映画は他にもあり、目新しさは無かった。ペクは罪に問われたのだろうか。ハン・ジミンは高畑充希かと思った。
主役が容姿端麗
ダークなヒューマンドラマ。
本編約98分。
前半楽しいと後半悲劇だし、悲劇から始まるとハッピーエンドになる、という典型的なパターンに全然飽きていないからか、今作はベタでメジャーな王道路線で、怒りや悲しみなどで興奮し、ラストはスッキリする。
主役が容姿端麗だと応援しやすい。
物足りなく感じた!!
最近YouTubeでバニシェフスキーについての動画を観たので、結構酷い内容だとキツいかなと思ったのですが、直接的な表現は避けていると感じました。また、二人が出会う事でストーリーがどう動き出すかと期待しましたが、後半になっても状況は変わらず、雰囲気映画に感じました。アコースティックな音楽も深刻さを緩和させて、何かポエム化していると感じました。同じ韓国映画の゙「トガニ」の方が良いと思います。
ハン・ジミンが「二つの光」とは全くの別人に見えた。いい女優さんです...
韓国警察って本当に無能扱いされがち
実在の児童虐待事件が基になっています。
憎悪と悲哀、胸糞の悪さを描かせると
韓国は抜群にうまいです。
(めちゃくちゃ褒めています)
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日本でも同様の事件はニュースで悲しいかな
よく見聞きする、他人事ではない児童虐待の現実。
隣家から聞こえる子供の泣き声や悲鳴や怒声に
人は見て見ぬふりをしがちで
サンア(ハン・ジミン)のように警察へ行っても
この警察が無能すぎて、まさにそれこそがリアル過ぎて腹が立つったらありゃしません💢
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眉間にシワよるほどの直接的な虐待シーンも
多く、ジウン役のキム・シアへのケアを
勝手ながら心配してしまいました😫
またジウンの保護前後で髪質すら違うのも
見事な演出だなぁ🤔
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重いテーマではあるものの、サスペンスとしても
しっかり描かれていて、ハラハラドキドキ緩急も
うまく付けられていて見事に演出された作品に
なっていると思います。
そりゃわかるけど辛いよ頭にくるよ でも暴力に暴力じゃ… それを守っ...
感動作、見つけた。
韓国の実話を元にした映画は大好きです
痛々しい
覚悟して鑑賞した。
こういう映画を学校で見せれば、今後事件が減るのでは?
自分の友人は既婚だけど子供を産まない。
虐待しそうだから。と言う。
自分が虐待された記憶はいつまでも残る。
途中、ゲーマーな父親が『産む事、賛成してなかった』的な事を言った。
本当に。
だったらなぜ、努力しなかった。
学校で楽しんでる女の子の映像が救い(*^^*)
この主人公の女優さん、韓国の有名な方と知らず後から知ってめちゃめちゃ驚きました💦💦
胸が苦しい。
悲しい事件が繰り返される度に同じ事を思います。
英語学習にもなるので、英語で書いて見ました。
I was feel so sad, why the parents did cruel violence to own daughter?
They treated her more crudely than pets.
Children can't choice own parents.
I think Parents who abuse should be more severe punishments.
It was first time to watch movie of Korea.
Why they are always angry?
They are fighting every day.
I feel like Korean language sounds like that.
虐待の連鎖、断ち切れる者と連鎖する者
日本でも児童虐待やネグレクトなどニュースになるけど、助けられず殺されてしまう子供達の中には、保護はされても親元に返され結局、、、今作のジウンも自分で助けを求めても助けてもらえない、戻されてしまう。虐待をする側の親がそばにいるところで子供にこの傷は?と聞く警官はアホか😤映画の中の話とはわかっていても腹が立つ。子供が転んだと言ったから事件性はない、としたいのか、傷を観ればわかるはずなのに、見逃そうとする警官も同罪だ。
主人公のサンアは子供の頃に虐待を受けていて、ジウンをなんとか助けたいと必死になる。自分で育てる覚悟で連れ出そうとする。虐待容疑でやっと逮捕された父親は、働きもせずゲームばかりの毎日で我が子を殴る蹴る、首を絞める。尋問の際の言葉「でも死んでないだろ?俺だってこうして生きてる」この男も虐待を受けていた。
虐待は連鎖する、と言われる事もあって、実際に虐待を受けて育った人が自分も虐待してしまうのではないかと悩む、とドキュメンタリーなど見る事もあるが、連鎖する人もいれば、きちんと断ち切れて愛情を注ぐことができる人も勿論いる。この差はいったいどこにあるんだろう。
韓国映画、たまにハズレもあるけど、やっぱり迫力あって面白い。役者も上手いなぁと思う。名前がわからないのだけど、ジャンソプのお姉さん役の女優さん、度々見かけるけど(なんの映画だったのかも思い出せないけど)毎回脇役だけどいい味だしてますね。
最後はジャンソプとお姉さんの家で過ごして、学校にも通い、笑顔のジウンを観て、少し救われた。
確実にランクの違う演出力
母親からの虐待とそのトラウマから自棄的に生きる女性が、虐待を受けて傷だらけの近所の子供を助けようとする。実話に基づいているらしいが、そうは思えないほどドラマチックに展開する。底辺に生きる者たちの息吹がリアルで、すんなり共感した。役者が巧いことに加えて着衣や皮膚や表情や傷跡にリアリスティックな現実味がある。しめやかな単楽器音楽も合っていた。
韓国が、何かにかこつけて日本と比較をしてくることを快く思わない。しかし韓国映画を見ると、日本映画と比較している自分に気づくことがある。
この映画も題材がわが国の時事にも通じることゆえ日本映画だったらどうなるかを想像した。
日本映画には境遇の誇示が見えることがある。かわいそうな人が、かわいそうの「どや」を見せる感じがある。映画そのものにも問題提起の誇示が見えることがある。「この映画ってすごく啓発してるよね」の「どや」が見えるばあいがある。
これは善人にも悪人にも、弱者にも強者にもありえる。
顕示欲とも言えるし、クリエイターの主観でもあり、観衆または映画賞への媚びとも言える。
総ての日本映画にあるわけではないので、一概ではないが、韓国映画には映画や役者から感じる「どや」がない。映画に承認欲求がなく、役者がすんなりと役に染まる。だから見やすい。
本編のように重さのある題材ではとくに見やすい。主人公は弱者面をしていない。加害者はいかにもな悪をまとっていない。監督は問題提起をしていない。うまく言い得ているか解らないが、監督/俳優から生じるひけらかしを韓国映画では感じたことがない。
因みにこの映画でミスペクに寄り添う男性は見たことのないキャラクターだった。面倒くさがっている態様なのに、思い遣っている。何より性を介していないのがいい。
初見の女流監督だが古豪のごとく映画を知っていると思う。お隣のほうが長じていることがまたも解った。
救いの手
酒を呑むと虐待する母親から離れて施設で育った女性が、近所で見かける虐待を受けているであろう少女に情けをかける様になる話。
以前レイプ未遂の被害にあい相手を刺して前科のある主人公。
洗車、マッサージ、トリマーと掛け持ちでマジメに働き、気にかけてくれる刑事の彼氏もいるがやさぐれ気味。
ある日彼氏と口論になり家を飛び出すと、全身痣だらけで震える少女を見かけたことから話が展開していく。
子供の虐待事件は実際にもニュースで見るし、実際にあった虐待事件を元にした物語とのことだけど、ホントに何でこんなことをするのか、なんでこんなことが出来るのかと憤りと悲しさで胸が打ち拉がれる想いがする。
不器用ながら少女に接する主人公の少女に対する想いと覚悟や、虐待に対する思い、自身に対する思い、母親に対する思い等がが良く描かれていてとても響く。
かなり重くキツイ話ではあるけれど、必要以上に虐待の描写を見せて暗さや悲惨さを強調したり、テンポを乱したりすることがなく、しっかりとしたストーリーをみせていて受け止め易かったし、サスペンスフルで非常に良かった。
髪の毛の艶、爪の傷
淡々とした空気は保ちつつ、心沈む虐待描写と胸揺さぶる人間模様に強く打たれた。
過剰にドラマチックにならないことで、強烈な出来事と心情がとても際立っていた。
虐待されて育った子供の人生、その行く先とは。
自分の子供に同じことをしてしまう者、被害に遭っている子供を見捨てられない者。
虐待をして育てた大人の人生、その辿り着く先とは。
自分のしている事に気付いて離れる者、事の悲惨さから目を背ける者、開き直る者。
虐待に関わる様々な立ち位置の人間を目の前に置かれ、問題を真正面から突きつけられる。
事件になり表面化されるケースなんてほんの一握りで、見えないところに暴力の連鎖が蔓延っていることを実感させられた。
絶対に許されないことだけど、ただ切り捨てるだけじゃ何も変わらない。
重いテーマを繊細に描いた作品だけど、しっかりサスペンスとしてストーリーを運び、緩急のついたスリリングな映画に仕上げたつくりが見事だった。
身内に刑事がいると何かと便利。
ハラハラするシーンも多く、どうなってしまうことかと読めない展開が面白かった。
しかめっ面に笑顔が浮かんだとき、どうしようもなく泣いてしまう。
髪の毛の艶感から伝わる健康状態。
人の心の悪い部分が剥き出しになっていたけれど、その反面、良い部分を信じたくなる。
何をしていても暗い表情のミス・ペクことサンア。
子供を相手にもう少し愛想良くできないものかと少し思ったけど、その奥にある情にジウンは気付いていたのかな。
微かでぼんやりした形で酷く揺れ動く、それでもたしかに存在しているあたたかいもの。
オールナイト上映の二本目という、寝落ち危険時間帯だったけれど、全く眠くならない映画だった。好き。
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