「シベリア鉄道」ホワイト・クロウ 伝説のダンサー kossyさんの映画レビュー(感想・評価)
シベリア鉄道
クリックして本文を読む
実在の亡命ダンサー、ルドルフ・ヌレエフの半生を描いた作品。彼が誕生した1938年と名門キーロフ・バレエ団に入団した1955年、初のパリ公演となった1961年の三つの時代を交互に描かれていた。
バレエについては全く知識がないため、ルディの芸術への憧れとさらなる高みを目指す姿勢に驚かされる一方、パリの夜を遊び歩いた自由奔放さに団体行動ができない身勝手さや傲慢さの印象で、友達になりたくない!と感じてしまいました。天才という人はどこか違う。列車の中で生まれたという特異性もあるけど、ソ連という枠の中でだけの活躍するだけじゃ惜しい存在だと思った。ホワイトクロウというタイトル通り、団体行動ができない異端児。バレエにしてもソロの演技が目立っていた。
自分を理解してくれる教師(ファインズ)の奥さんとも肉体関係を持ったとか、フランス女性クララとも仲良くなるが、そうした恋愛の結末がさっぱりわからないところが残念でした。それはクララの記者会見にも象徴されるように、「彼とは恋人ではない。どうなるかもわからない。彼はそういう人なのよ」と、恋愛や人間関係においても自由人だったのだろう。それがオペラ座で伝説ダンサーになったのだから世の中わからないものだ。
亡命ってそんなに簡単なものなの?という、終盤のスリリングな展開。思わず息をのんでしまいました。最後のテロップには死について簡単に書いてありましたが、AIDSで亡くなったとか詳細に書いても良かったんじゃないのかな?
コメントする