「置いてきぼり」テルアビブ・オン・ファイア Imperatorさんの映画レビュー(感想・評価)
置いてきぼり
映画館では笑いが起こっていた。
クソ真面目な顔をしながら、滑稽なシチュエーションに対処する男たち。メロドラマが大好きな女たち。ちょっとした台詞の面白さ。
そんなところだろうか?
だが自分には、さして面白くもなく、“置いてきぼり”状態で、居眠りを繰り返す体たらくであった。
“笑撃の結末”に一縷の望みをかけたが、ガッカリであった。
そもそも、「東エルサレム」に住む「ヘブライ語」に堪能な「パレスチナ人(サラム)」が、「イスラエル軍」の検問を越えて、「パレスチナ自治区」のラマッラーにある撮影所に通っており、一方、検問所主任の「イスラエル軍人(アッシ)」とその家族が、その「パレスチナ人制作」のメロドラマを楽しんでいるという、ややこしい状況を知らずに観てしまったのも敗因だ。
結末を巡って、「パレスチナ人制作チーム」の主張は分かる。
しかし、「イスラエル軍人」が、なぜその結末を強制するのか、自分には観ているときは全く理解できなかった。
本サイトの映画ニュースを見ると、どうやら「オスロ合意」(1993年)という「非現実的な要求」を象徴しているらしい。
かの地の複雑な状況が分かって、勉強になった。
だが、コメディとはいえ、かなり“知的な笑い”が要求される映画であると思う。
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