「母を亡くした娘と姉を亡くした弟の再生物語」アマンダと僕 だいずさんの映画レビュー(感想・評価)
母を亡くした娘と姉を亡くした弟の再生物語
ダヴィッドがとてもいい青年でした。男尊女卑的でマッチョな思考の男とは程遠い、ナイーブな青年が私にはツボです。強がる人より、弱さを隠さず泣ける人がいい。一緒に歩むならば。
姪のアマンダを育てる姉は、ピクニックのために外で待ち合わせていたけれど、テロの犠牲となり、帰らぬ人になります。なのでダヴィッドはアマンダを育てることになります。
付き合い始めたばかりの彼女も姉と同じテロ攻撃で怪我をして、今まで通りのおつきあいや生活ができなくなりました。怪我した彼女役のステイシーマーティン、相変わらずかわいかったです。グッバイゴダールの主役の子。
残されたアマンダはおじさんにも去られるかもしれないというイメージが捨てられず苦しそう。
24歳で7歳のこどもを育てるって。おのれの24歳を振り返ると恐ろしすぎて気が遠くなる。
でもやるしかなくて、がんばる。そしてなんとかなってる2人が眩しい。
ラストあたりでダヴィッドとアマンダは、イギリスはウィンブルドンに旅行します。そして絶縁状態にあったダヴィッドの母(アマンダの祖母)に会います。深い溝はあるけど、終わってはない関係が、なんとも微笑ましく描かれていました。
あと、テニスの試合を見ていて、一方が負けそうになっているのを見ていてアマンダは悲しくなってしまい、泣き出してしまいます。でも負けそうな選手が盛り返したことで、アマンダは辛いことにも立ち向かえる、ひっくり返せるっていうイメージを得たのではないかと思いました。
泣けましたわ…ほんと。
アマンダがんばれ!ダヴィッドもがんばれ!と、泣きながら心で叫びました。
エルビスは建物をでた、という表現が姉が生きていた頃と死んでからと二回出てきたけど、ぼーっとしてたんでしょうね、わたし。よく理解できませんでした。