「政治に関心のない人に観て欲しい」選挙に出たい andhyphenさんの映画レビュー(感想・評価)
政治に関心のない人に観て欲しい
「元」中国人の男性が帰化して新宿区議選に出馬した顛末を、中国人女性監督が撮ったドキュメンタリー。
彼の訴えはもはや「選挙に当選したい」を逸脱して自由自在に語られる。最初はきちんと政策を訴えようというのが感じられるのだが、段々と日本という国はどんな国なのか、そして日本の選挙とはどんなものなのかを映し出す鏡となっていく。
日本は政治的な話があんまりおおっぴらにできない精神性みたいなものがある気がする。私自身も含め無関心過ぎるという感覚が、李小牧という人物を通して否応なく映し出される。
映画自体に政治的メッセージはなく、主人公である李小牧氏のキャラクターの強烈さも相まって、特異な選挙映画という見方もできるが、これはやはり、我々にこの国を考えさせる鏡のような映画だと思った。
淡々と映し出される選挙戦だけでも本当に色々考えさせられる。
多くのものをカテゴライズして型にはめてみるものの見方は合理的ではあるが難しいな、ということを痛感させられた。日本人だとか、外国人だとか、サラリーマンだとか、水商売だとか。自分自身にも課題だ。
政治に無関心な人にこそ観て欲しい映画である。
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たかあきさんのコメント
2020年1月17日
僕は今20歳なのですが、同世代で政治に関心がない層には必ずこの映画と、選挙フェスという映画を観ることを半ばほぼ強制させます。
政治が極めて閉鎖的で公共の場で
あり語ってはならぬもの,心内でスッと秘めておくべきものという、風潮は若者である僕からしても違和感を強く感じます。
北欧のようにオープンになってほしいです。