「キャスト以外、残念。」ヲタクに恋は難しい Mariaさんの映画レビュー(感想・評価)
キャスト以外、残念。
原作/アニメが大好きです。
実写版が出たと知った時は凄い楽しみでした。アニメ/漫画が実写版映画になる時、残念な仕上がりになる事が多い為少し不安でしたが、キャスティングを見て「これはイケるかも!」と期待が持てました。
期待通りキャストに関して文句ないです。キャラクターのビジュアルとイメージに全員合っていると思います。
問題は脚本と監督にあると個人的に思います。
実写版が原作と話が違う事は良くある事。だから内容が少し変わっていても別に問題はありません。ですがこの映画では原作の良いところが何も伝わりませんでした。ミュージカルの部分を抜けばナナミはヒロタカの事を全然好きではない風に見える。ナナミとヒロタカの肝心のinteractionの部分で二人の愛を全く感じられないのが凄く残念。ミュージカルを重視しすぎて肝心なキャラクターのやりとりの部分での感情表現出が全くない。これは役者ではなく台本に問題があると思います。
ミュージカルだけでなく、多分面白さも重視したのでしょう。面白いシーンは結構あります!でも肝心なストーリーと関係がない。なので story evolvement がどうしても欠けてしまってます。感情が入り込めない。
原作は凄く小さなキュンシーンがいっぱいあります。青春ラブストーリーのラブラブシーンとは違って、不器用な大人の小さなキュンってなるシーンが凄くいいのに、この映画でキュンシーンはゼロ。原作はその小さなキュンと共に面白シーンが沢山あるのに対し、この映画の面白いシーンはストーリーと全く関係がない。最初の方で出た「いや、言ってないな」の原作通りのところ以外はただ面白い役者が面白くアドリブしているだけ。原作に出ていないキャラクター達の役者達が面白おかしく演技していて、原作キャラクター達やストーリーと全く関係が無い。だから全て散らばっている。
キャストは良かったのに…とても残念。
菜々緒が花子役とか的役だったし。
花子とカバクラも原作で物凄く大事なキャラクターの二人なのに出る場面少ない。カバクラに至っては原作とキャラが全然違う。
ミュージカルや面白シーンを重視するんじゃなくて、映画ならストーリーを重視するべきでしょう。
脚本/監督はこの原作をもっと理解した人が良かったと思う。