「あれっ、面白いかも」ヲタクに恋は難しい やきすこぶさんの映画レビュー(感想・評価)
あれっ、面白いかも
はっきり言ってオープニングは、つまらなかったんですよね。
この場面だけじゃなくて、佐藤二朗さんはあんまりこの映画とフィットしていない感じがしたかな。
それで、最初イマイチな印象のこの映画を、面白いかもと思い始めたのが、エレベーターのシーンなんです。
「好きって言ってないかも」で軽く笑わせときながら、エレベーター内での抱きついてしまうシーンが、とても絵になって素敵なんですよね。
ここで、気持ちを掴まれました。ここ以降は、この映画が面白くて面白くて。
テンションの低い役の山崎賢人さん、テンション高い役の高畑充希さん、共に得意分野なんだと思います。
山崎さん、殆ど感情を表に出さない役どころなんですが、その中で微妙に気持ちを表情に滲ますのが上手いんですよね。
一方の高畑さん、大袈裟なリアクションの間に、しっかりとした表情を挟みこんでくるんです。
この二人が上手かったから、映画の軸がしっかりしたんだと思うです。変なシーンも気にならなくなる。
それから、この映画の設定とミュージカルって相性良い気がしました。
ミュージカルの歌って、心の声みたいな部分が有るじゃないですか、それが恋愛に不慣れな人独特の一人相撲にマッチする気がして。
更に、東京の夜景もミュージカルに合う気がします。
東京の夜の街並みって、生活の中のリアルなはずなのに、どこか非現実的な美しさを持っている様な。
私はこの映画、面白かったな。
好きな人が何かに夢中になる横顔って、守りたくなるよね。
コメントありがとうございます。
ヲタク作品の切り込み隊長的な作品で、つまり大成功したのではないでしょうか。
誰かがまたヲタクをモチーフにするとき、この作品が指針となるのは間違いないでしょう。